また、コレステロールを低下させる商品は大きく6種類に分かれるというが、田村氏は「大豆たんぱく質」「ブロッコリーやキャベツ由来の天然アミノ酸」「茶カテキン」の3種類が含まれる食品を推奨する。「あくまで比較の問題ですが、他の成分が体に蓄えられるコレステロールをカットするのに対し、この3種類は代謝に働きかけ、やはり根本的な部分に働きかけるのです」(前同)

 さらに田村氏は、こうもアドバイスする。「個人個人の体調や事情によって、最適な商品は変わります。ですから、迷った場合は店の薬剤師や食品保健指導士に聞いてください。そのとき、きちんとした返事がない店では購入しないほうがいいですね」

 では、トクホとは違って、あらゆる健康の悩みに対応してくれる一方で、安全性に国や専門機関の担保がないサプリをうまく利用するには、どうしたらいいのか。田村氏は日本のメーカーが製造するサプリのほうが、外国製より無難だという。

「たとえば血流を促進するビタミンEのサプリの場合、日本では1錠100ミリグラムの含有量が相場ですが、米国製では1000ミリグラム含んでいたりします。そうした製品の利用時に出血し、血が止まらなくなってしまったケースもありますからね」

 さらにサプリの飲み方については、個々のサプリを選ぶ前に、まずは「ベースメントサプリメント」を飲むことを勧めるのは、『サプリメントバイブル』(枻出版社)の著書もある、サプリメント会社『つくばアソティック・フーズ』の神崎良太郎代表だ。「演劇に脇役が必要であるように、成分が効果を発揮するためには、それを生かすべース、つまりビタミンやミネラルなどの栄養素が必要です。具体的には、マルチビタミンやマルチミネラルを飲んでほしいです」

 神崎氏に、加齢とともに誰もが感じる慢性疲労に効果的なサプリを尋ねると、「現代社会の疲労は、老廃物の排泄不全が大きな原因である場合が考えられます。特に、現代社会においては体内での酸素消費量のうち20%を占める“脳”が重要なので、脳全体を正常にするコンセプトを謳ったサプリが好ましいですね」

 疲労時にエナジードリンクを飲む人も多いだろうが、「カフェイン成分などで一時的に覚醒させるに過ぎないものも多く、その結果、さらに疲労が蓄積されることもあるので、注意が必要です」(前同)

 また、タバコが生活に欠かせない人には、「タバコを1本吸うと50ミリグラムのビタミンCが消費されるのですが、ビタミンCには強い抗酸化作用があります。なので、多くの種類の抗酸化物質を含むサプリメントを摂ることで、喫煙によるダメージを少しでも低減してほしいです」(同)

 さらに、神崎氏は「サプリとトクホは、まったくの別物」として、こう話す。「トクホは体の不調に合わせて、一時的な回復を狙って使用し、サプリは慢性的な日常の不調を整えるために使用してほしいですね」 ちなみに、機能性表示食品は今年4月に導入され、今後、最も商品が増える分野と考えられるという。

「サプリと同様に、あらゆる効果を謳うことができますが、企業は消費者庁に届け出をするだけで、個別の許可を受けるものではありません。なので、キャッチコピーに踊らされず、提供企業の実績や信頼性を見極めながら使用する必要があります」(医療ライター)

 年齢とともに増える体の悩み。身近で手軽なトクホ&サプリを利用して、改善に役立てていただきたい!

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