【村山聖九段】1969年6月15日、広島県生まれ。98年8月8日没。腎臓の難病・ネフローゼの持病を抱えながらもプロ棋士に。奨励会入りからプロまで2年11か月は羽生を超えるスピード。97年、膀胱がんが発覚し、手術を受けて復帰したものの、98年春に再発が発見され、8月8日に逝去。「非常に読みが正確で、終盤は村山に訊け、と言われていました。勝負勘が的確な将棋だという印象です。麻雀した時、村山先生が勝っていた時は“体調が悪いから帰らないと……”と言っていたのに、その後、負けはじめるといっこうに止めない。結局、朝まで打って、それから飲んで帰りました」(弦巻氏)

【羽生善治三冠】1970年9月27日、埼玉県生まれ。タイトル合計獲得97期は歴代1位。96年に史上初めて将棋界の全7タイトルを独占する。“ハブにらみ”と呼ばれた対局中の鋭い表情。「勝負師なんですが、相手のことをまず考える方ですね。羽生先生が中学生の頃から撮っていますが、悪いところが一か所も見つけられない。百点ですよ。もし、仏陀とかキリストが現在もいるとしたら、羽生さんのような人だと思います」(弦巻氏)

【森内俊之九段】1970年10月10日、神奈川県生まれ。タイトル合計獲得12期。趣味はバックギャモン、クイズ、競馬など多彩。「森内先生は、とても老獪な将棋。引きずり込む将棋、というんでしょうか。相手の失点を待つ我慢強さがあります」(弦巻氏)

【佐藤康光九段】1969年10月1日、京都府生まれ。タイトル合計獲得13期。ヴァイオリンは将棋より前から習っていた。「佐藤先生は集中力がものすごい。棋士で一番じゃないでしょうか。そして創造力。コンピュータにはまずできない新手を指す。リスクの高い、誰もやらないようなところをわずかな光を見つけて進んでいく。カッコいいですよね。印象としては僧兵です」(弦巻氏)

【丸山忠久九段】1970年9月5日、千葉県生まれ。タイトル合計獲得3期。「米長(邦雄)さんの弟弟子に当たりますが、大らかで笑顔がすごくいい。佐藤先生の面も森内先生の面もあわせもつ、なんでもできるタイプ」(弦巻氏)

【三浦弘行九段】1974年2月13日、群馬県生まれ。96年、棋聖を奪取し“羽生の7冠を崩した男”となる。2016年、ソフト不正使用疑惑の渦中に。「勝つことに対するエネルギーが他よりも強い。血を吐いて戦う勝負師は、勝つために何をしてもいい、という考えがあるんだと思います。使うなら、相手の目の前で使えばよかった。昔は、対局中に将棋の本を読んでもよかったんだから」(弦巻氏)

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