そして、日本でもおなじみのフィリピンは魅力的だが、落とし穴も多い国として要注意な場所だという。「フィリピンも人気の国ですが、マニラの治安はアジアでも飛び抜けて悪いですから要注意です。現地の日本人に騙されたという例はいくらでもあるので、フィリピンに行くなら現地の信頼できるパートナーが必須です」

 治安という観点からは、他にもインドネシア、マレーシアなどのイスラム教圏は近年のIS問題が影を落としているので、要注意とのこと。「これはどこでも共通なんですが、起業に当たっては信頼できる現地人のパートナーを見つけることが不可欠です。そういう意味で、奥さんも現地人であるに越したことはないんです。成功した日本人は、ほぼ例外なく現地人のパートナーを持っています。悪い輩が寄ってきても、奥さんが現地人なら向こうもすぐ引き上げますから、その点、心強いですよね」

 ただし、タイ、フィリピンの両国に共通して、女性パートナーには注意点が。「とにかく嫉妬深くて直情型なので、浮気なんかのトラブルが起きた場合は覚悟したほうがいい。向こうでは“アベサダ事件”なんて日常茶飯事(笑)。現地では家も車も名義が奥さんになるので、離婚と同時に身ぐるみ剥がされて、現地でホームレスなんて例も多いですよ」

 高橋氏は最後に、人生の新天地としての東南アジアに臨むうえでの注意点を。「失敗するのは、“上から目線”の人ですよね。外国に来ているのに、日本を持ち込む人は、やはりうまくいきません。同じ人間ですから、見下すような態度は、すぐ伝わりますよ」

 東京で広告代理店を経営する竹下氏は、フィリピン人女性と交際するなど、大のフィリピン好き。それが高じて、今年の7月からフィリピンのイムス市でレストランを経営することになった。46歳での挑戦である。“フィリピンで日本人が飲食店を開業”と聞くと和食レストランを想像してしまうが、彼が始めたのは「フィリピンレストラン」。現地スタッフを使って、現地人のためのレストラン「ミックス・シズラーズ」をオープンしたのだ。

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