毎日のスキンケアで、肌がツヤツヤに……これ、一見お手入れが行き届いているようですが、指で触れるとツルツルしていてビニールみたいな感触だったりしませんか。しかも触った後、赤くなってピリリと痛みを感じる……なんてことがあったら要注意です!
このような症状の肌を「ビニール肌」といいます。まるでビニールのようにツルツルテカテカ。これは肌の角質層が薄くなって、バリア機能が弱くなっている状態。ひどくなると角質がはがれて、傷やヤケドの痕のようになってしまうことも。角質層は肌の表面を覆い、外部からの刺激を防いでいます。そして、肌の内部にある水分が蒸発しないように保護する役割もあります。角質がはがれてしまうと、肌のバリア機能がうまく働かず、炎症反応やかゆみなどが起こります。結果、肌の弾力やハリが失われるというわけです。
ビニール肌の主な原因として、過剰なスキンケアが挙げられます。毛穴汚れや古い角質を取ろうと、毛穴パックやピーリングを頻繁に行うことでビニール肌を加速させてしまいます。
肌は本来、ターンオーバーによって押し上げられた角質が自然にはがれ、その下の角質が表面へ出てきます。肌はこのように一定の周期で生まれ変わっているのです。ところが、ピーリングなどを頻繁に行ってターンオーバーのサイクルを早めてしまうと、新しい角質がしっかりと育たず、未熟な角質層が表に出てきます。未熟な角質層は、外部からの刺激に弱く、乾燥や肌トラブルも起こりやすくなります。また、刺激に弱い角質はすぐにはがれてしまい、正常なターンオーバーが行われないため、ビニール肌を加速させるというわけです。
ビニール肌の改善方法としては、過剰なスキンケアを止めるしかありません。洗顔はぬるま湯で優しく行い、洗い終わったらこすらず、水分をそっと吸い取るように拭きましょう。洗顔後は肌に負担のかからない低刺激の化粧水やクリームで保湿。あくまでもほどほどのケアを、正常な肌に戻るまで続けます。
これまでのスキンケアを止めるのには勇気がいりますが、肌には自ら生まれ変わる力があります。健康な肌こそ本当に美しいもの。自分の肌の回復力を信じて、気長にケアしましょう。
長谷川正和
86年、神奈川県生まれ。男性のハンドモデルとしてコマーシャルから広告、再現VTR等に出演。物心ついた頃からお腹が弱いため、身体の「中身」のスキンケアも徹底している。