国防長官候補のギングリッチ氏は超のつくタカ派で、ネオコンを抑えることのできる実力者。これも、“強いアメリカ、強い米軍”の復活を目指すトランプ氏好みの人物と言えるだろう。「国務長官、司法長官候補に挙がるのは、ルドルフ・ジュリアーニ元ニューヨーク市長です。9・11テロの混乱を見事に収拾した敏腕市長で、トランプ氏と非常に近い存在です」(前同)

 両者をつなぐのは、敗退した民主党のヒラリー・クリントン候補だという。「ジュリアーニ氏は、ヒラリー氏を17件の事案で立件できると息巻いていますからね」(前出の宮崎氏)

 ユニークな逸材を揃え、その陣容を固めつつあるトランプ新政権だが、選挙期間中同様、セレブ層の評価は相変わらず辛辣だ。中指を立て露骨な発言をしたオスカー女優のジェニファー・ローレンスを筆頭に、「アメリカ国民の悪夢」(リチャード・ギア)、「虫唾が走る」(マット・デイモン)、「外国人嫌いのファシスト」(ジョージ・クルーニー)など、ハリウッドの大物セレブたちはトランプ批判の舌鋒が鋭い。

 ところが、ひと味違うのが御年86歳の名優、クリント・イーストウッドだ。「近年は名監督として傑作を次々と世に送り出しているイーストウッドは、共和党支持者。選挙戦では、早々に“俺はトランプに投票する”と明言していた“アメリカの頑固オヤジ”です」(外信部記者)

 “伝説のチャンプ”もトランプ氏びいきだ。「マイク・タイソンは、1988年にスピンクス戦をトランプ氏にプロモートしてもらって以来の関係で、いわばトランプ氏の“舎弟分”ですね」(前同)

 世界最大のプロレス団体WWEのビンス・マクマホン会長もトランプ氏の“マブダチ”だ。07年には、それぞれがレスラーの代理人を務め、負けたほうが頭髪を剃られる「髪切りデスマッチ」を戦っているのだ。代理人としてセコンドにつくだけでなく、190センチ・100キロ超のトランプ氏が、マクマホン氏にラリアットを食らわせ、馬乗りになって攻撃。試合に勝ったトランプ氏は、泣き叫ぶマクマホン氏へ「サヨナラ! ヘアー!」と、なぜか日本語で叫びながら、バリカンを入れた。「彼はマクマホンから“ヒール(悪玉)になって場を盛り上げる奥義”を学んだといわれています」(同)

 イーストウッドにタイソンにマクマホン……アメリカ国内でトランプ支持を明言する有名人の“濃さ”といったらないが、トランプ氏を支持する海外首脳は、それを上回る迫力だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4