一方の北朝鮮は、トランプ氏が「金正恩氏が米国に来るのなら会う。テーブルに腰掛けてハンバーガーを食べながら、もっといい核交渉を行う」と述べていることを受けての反応だという。ただし、「米朝会談実現には、核放棄などの前提が必要」(外務省関係者)というから、現実的には関係改善は望み薄のようだ。

 むしろ、選挙期間中にヒラリー氏とだけ会談したため、“出遅れた感”がある日本のほうが、盛り返しているという。「安倍晋三首相にとって、17日(現地時間)に各国首脳を押しのけてトランプ氏と会談できたことは、とても大きな成果です」(前同)

 外交評論家の小関哲哉氏が、こう続ける。「外交の経験がないトランプ氏は、プーチン大統領とホットラインを持つ安倍首相に一目置くはず。今後、安倍首相がアメリカとロシアとの橋渡し役を担えれば、外交的にも経済的にも日本の国益につながります。一方の中国は、トランプ氏が親ロ外交に傾斜することを恐れているはず。ですから、安倍首相がトランプ氏と良好な関係を築ければ、日本が中国外交の主導権を握ることも可能です」

『トランプ革命』の著書があり、日本人で最もトランプ氏に近いとされる政治評論家のあえば直道氏も、「トランプ氏は、ヤンキース時代の松井秀喜選手を評価していました。また、本心では日本人をリスペクトしていますから、安倍首相は円滑な日米関係を築けると思います」

 選定が進む閣僚メンバーや、国内外の大物シンパの顔ぶれを見れば、トランプ氏が“従来の大統領”と異質であることは明らか。“トランプ革命”は、年明けからスタートする――。

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4