ここでも後続に迫られるのは想定内。内から3、4頭分のベストコースを回って、本当の勝負は残り300メートルあたりから。エンジンを点火するのは、そこからでいいと考えていたので、ここもパーフェクトです。

 ちょっとだけイメージと違ったのは、そこからの走りでした。これまでは、先頭に立つと気を抜くところがあり、勝っても僅差がほとんど。それが今回は、最後まで力強く伸び続けて、後続を突き放す競馬を見せてくれたのです。

 悪いほうに変わるのは嫌ですが、こうしたいい方向へのイメージチェンジは大歓迎です。ウイニングランを終え、検量室前に戻ると、そこでは、9月に頸椎の手術をされ、まだリハビリ中だという北島三郎オーナーが、バンザイで僕と愛馬を出迎えてくれました。

 応援してくださったファンの前で、『まつり』を歌われたときは満面の笑みでしたが、インタビューで、「今日は泣きました。涙でボロボロでした」と話されていたように、その頬には涙の跡がくっきりと残っていました。

 今週末は香港で、エイシンヒカリのラストラン。その翌週には「朝日杯フューチュリティS」があり、それが終わると、いよいよ、ラスト1週……グランプリレース「有馬記念」です。キタサンブラックと走ってきた2016年……『まつり』は、まだ続きます。

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