――『今も、今日からも』はラブ・ソングですね。

麻倉 詞を書かれた湯川れい子先生から「今のあなたなら、この気持ち分かるはず」って言われたんですけど、私は男の人をそこまで思い込んだことは正直、ないんですけど(笑)。もう一曲の『Applause!』という曲は女性の自立の素晴らしさや大切さを歌った歌です。

――ジャケットの写真も衝撃的です! 大きく開いた胸元から覗く谷間と、ヒザ上30センチの短いスカートから伸びた美脚は、芸術的ですよ。

麻倉 アハハ。タイトルに合わせて、どういう感じにしようかってディレクターと打ち合わせしたときに自然と、このアイデアが出てきたんですね。私も「そこまでやっちゃいます?」って(笑)。ただ、ひとつ、問題が出てきまして……日本にこういう衣裳があるのかって。で、私の私服の中に、そんな印象のドレスがあったので、それを引っ張り出しました。ホントは、スカートはもう少し長いんですけど、ギリギリまで上げたんです。まさか、この年で、こういう格好をしようとは思いもよらなかったですけど(笑)。

――ジャケット裏の上半身アップの写真も、素肌の上にジャケットだけ羽織って……これまたセクシーでした! 少し話は戻りますが、『スクール・ウォーズ』は見たことはあります?

麻倉 もちろん。オープニングの芥川隆行さんのナレーションが“ズ~ン”って来るんですよね。

――それだけで、ドラマの熱さが伝わりますよね~。

麻倉 ドラマの後で、主人公の滝沢先生のモデルになった山口良治さんにお会いする機会があったんですけど、口調がドラマの滝沢先生のまんまで(笑)。

――滝沢先生に扮した山下真司さんの役の作り込みがうまかったんですね。

麻倉 そういうことですよね。もっとも山下さんの素に、ああいう部分があったのかもしれませんけど(笑)。

――確かに。ちなみに、麻倉さんは歌手としてだけでなく、93年に発売した写真集『Si』でも男性の心を熱くしました。

麻倉 当時、何人ものカメラマンさんからお話をいただいていたんです。でも正直、私もやりたくなかったし、断るのも面倒臭くなってしまって。で、プロデューサーに相談したら、カメラマンの大竹省二さんで、どうだろうって話に。

――大竹さんといったら、大御所カメラマンです。

麻倉 それまで大竹さんとは何度かお仕事させてもらったこともあって、私も安心できると思ったんです。

――安心、ということは撮影も順調だったんですね。

麻倉 撮影はポルトガルで2週間。ただ、言い合いになったこともありました。「お前ぐらいだよ、俺に逆らうのは」って言われたり(笑)。でも、そうやって一つの作品を作っていくのはすごく楽しい体験でした。

――なるほど。ちなみに、麻倉さんは06年に本誌の取材で“いい人がいたらアタックしようと思っています”と話していて、翌年に結婚されています。

麻倉 アハハ。そんなこと話していたんですか?

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