――有言実行ですね。よろしければ、馴れ初めは、どんな感じでした?

麻倉 主人とは友人の紹介だったんですね。ある日、みんなで寿司屋でガンガン飲んでいたら、彼がやって来て。彼の私に対する第一印象は「この人、歌手とは思えない」(笑)。

――彼の、どんなところにひかれたんでしょうか?

麻倉 最初のデートが8月で箱根に行ったんですね。そうしたら突然、雹が降って来たんで、土産屋でやむのを待っていたんです。そのとき、サインを頼まれたんですけど、彼は私から、ちょっと離れた所にいてくれたんです。それで“この人は、しゃしゃり出るようなタイプじゃないんだな。だったら、大丈夫かもしれない”って思えたんです。

――少し距離を置いて見守ってくれたんですね。

麻倉 そうですね。一般の方なんで、最初は私の仕事について、一から説明しなきゃいけなかったんですけど、ちゃんと理解してくれて。今の私としては“いてくれるだけで安心”みたいな感じなんですね。

――寿司屋でガンガンという話がありましたが、けっこう飲むんですよね?

麻倉 父の影響で、私も飲むほうでしたが、主人があまり飲まないんで、最近は家では飲まなくなっちゃいました。主人は甘いものが好きで、いつの間にか楽屋見舞いも甘いものが届けられるようになって。だから最近は「私、飲みますけど」ってアピールするようになってきました(笑)。

――アハハ。そういえば、アルバムの歌詞カードで気になることが……。

麻倉 なんですか?

――最後に「この5年の間にさまざまな出来事がありました。特にプライベートの出来事は私を大きく成長させてくれました」と。

麻倉 大阪に住んでいる父の具合が悪くなったんですね。このときに、誰かが家にいることで生じる安心感を改めて発見しました。2年前には、主人も大病を患って手術を受けて……。

――大変でしたね。

麻倉 それまでの私は歌ってさえいればいいって考えていたんですが、これからは、私が家を守っていかなきゃいけないなって考えるようになってきたんです。

――では、最後に今後について聞かせてください。

麻倉 事務所の社長には「70歳までヒーローを歌い続けろ」って言われています(笑)。先輩の由紀さおりさんにも「ポップスを歌える人が少なくなっているから、歌い続けなきゃダメよ」と言っていただいて。私としては、自由奔放に歌わせてもらっているなって思ってますが、オリジナルにこだわらず、いろんな歌を歌っていきたいなと思っています。ぜひライブにも足を運んでくださいね!

 これからも麻倉さんの歌声は、多くの人々に勇気を与えてくれる――本誌は、そう確信しました!

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