「次回作に触れるなんて、前代未聞ですよね! それから、朝日姫を演じた清水ミチコさんが良かったですね~。セリフがなく、顔のアップだけで視聴者を笑わせるっていうね。あれも面白い演出でした。実は、その清水さんから、“ねえ、松ちゃん、大河で朝日姫の役をやるんだけど、どんな人なの?”って聞かれたことがあるんですよ。僕は、“豊臣と徳川の絆のために政略結婚した人で、ブサイクだったといわれていて、家康も嫌々、夜のお供をしていた”と教えたら、清水さんは、“あぁ、三谷に騙された!”と怒っていましたけどね(笑)」(松村さん) 最終回も、三谷氏が遊び心満載の演出をするのは間違いないだろう。

(3)ストーリーの裏に潜む現代社会への金言

 第44回「築城」で徳川方が「仕寄せ」を作るシーンが登場する。仕寄せは、敵城などからの鉄砲や弓矢に備え、盾や竹の束などで身を守り、塹壕を掘りつつ攻め寄せる戦法。この回では、徳川家康(内野聖陽)が合戦経験のない若い兵を叱りつつ、老骨に鞭うって自ら塹壕を掘り、「これが仕寄せじゃ!」と彼らに範を示した。

「あのシーンを見ていたら、なんでもネットで調べようとする今の若い人たちに、“そうじゃないんだ。調べるというのは実際に現地に足を運び、人の話を聞いて、ノートに書くことだろうが!”と、家康が言ってるようにも聞こえましたね。内野さんの家康は、どこかの企業の“先代の”社長のようで、言葉が心に響いてくるんですよね。素晴らしい!」(松村さん) 最終回も、三谷氏が投げかけるメッセージを見逃すことなかれ!

(4)戦国版「プロ野球戦力外の男たち」! 牢人たちの大逆転はあるか?

「大坂城に集まった牢人たちは、プロ野球でいうとトライアウトに期待をかける選手そのものですよ。今年は、本物のトライアウトが甲子園であったんです。トライアウトに来た選手たちは、野球を続けるために集まっている。それは大坂城の牢人たちも同じで、生きるために集まっているんです。“大坂城トライアウト”に集まった牢人たちが最終回、何かやってくれるんじゃないですかねえ」(松村さん)

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