さらに、三谷幸喜氏の姓名を紐解くと、石田三成(山本耕史)の「三」に大谷吉継(片岡愛之助)の「谷」、真田幸村の「幸」に宇喜多秀家(高橋和也)の「喜」。まさに、“豊臣魂”を具現したものだと松村さんは熱弁を振るう。

「幸村はどんなときにも冷静沈着だし、これは、ひょっとして大坂方が勝つんじゃないかって期待してしまいます(笑)」(前同)

 幸村を演じる堺雅人は、連ドラ『半沢直樹』(TBS系)が大ヒットしたことも記憶に新しいが、「さすがに家康が大和田常務(香川照之)のように土下座することはないと思いますけどねえ(笑)。期待できますよ。やっぱり、ひょっとすると……」(前同) 史実と違う、まさかの大逆転劇があるか?

(5)日本一の兵」は幸村じゃなかった!? 毛利勝永の一騎当千ぶり

「ドラマで鉄砲の名手として登場する毛利勝永(岡本健一)こそ“日本一の兵(つわもの)”です」と語るのは、本誌で『日本史ミステリー』を連載中の、歴史研究家の跡部蛮氏だ。跡部氏が言うように、勝永が天王寺の合戦で、どのような活躍を見せるかも見どころの一つだ。

 跡部氏によれば、勝永は、敵を近づけるだけ近づけ、鉄砲隊に一斉射撃を命じる。まず、第一陣の大将・本多忠朝を討ち取ったあと、第二陣の小笠原秀政隊を急襲。秀政は傷を負い、のちに死亡。毛利隊はなおも攻撃の手を緩めず、敵陣深く攻め入り、第三陣もかき回し始めた。

 毛利隊は2人の大将を討ち取り、徳川家康の本陣に迫る勢いとなったものの、幸村の真田隊がほぼ全滅し、勝永が周囲を見渡すと、孤軍となっていた。だが、勝永は包囲する徳川軍の間を突破。残兵をまとめて、見事に大坂城へ撤兵するという。

 こうして第一陣から第三陣までの徳川勢をかき乱した男は、自刃した豊臣秀頼(中川大志)の介錯を務めたのち、腹を切って果てる。まさに、あっぱれな武将ぶりであったという。最終回、岡本演じる勝永の一騎当千ぶりに酔いしれたい!

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