「現在はチーフアナウンサーですが、理事待遇のエグゼクティブアナウンサーでもあるアナウンス室長への昇進は時間の問題でしょう。局内には、“NHK初の女性会長は彼女しかいない”と推す局員が多いですね」(ベテラン局員)

 だが、実際のところ、有働アナにNHK会長の目はあるのか? 『NHKはなぜ金持ちなのか?』(双葉社)などのNHK関連著書も多い放送ジャーナリストの小田桐誠さんはこう語る。「視聴者や局員は喜ぶかもしれません。しかし、現状では実現の可能性は低いと言わざるをえませんね」

 しかし、ある局OBは「有働会長の可能性はゼロではない」と言う。「今、NHKは、受信料やネット配信などのやっかいな問題を抱えています。この問題が、有働会長誕生を後押ししているんです」

 次世代放送である4Kや8Kなどのスーパーハイビジョンへの設備投資に備えるなどの理由で、受信料値下げこそ見送られたが、受信料支払い義務化の声も。放送法を改正し、ネット視聴者から受信料を徴収すべしとの声もある。

「どれも視聴者に負担増を求める話ばかり。でも、人気者の有働さんが会長になれば批判を和らげることができるのではという期待の声がありますね」(前同)

 こういった意見もあることから、突拍子もない話ではないという。局員の声からも、それはうかがえる。籾井会長から「事実上のクビ」を言い渡された、生え抜きの専務理事・塚田祐之氏も、退任に当たって、同会長の放言などの対応に追われたことを明かし、(現場も)限界に近づいている」と苦言を呈している。「あれは“現場を知らない外部の人間に振り回されるのはうんざり”という内部の声を代弁していました」(前出の局OB)

 ただし、局内の人望だけでは難しいという。「“国営放送”であるNHKは永田町(政界)や総務省などの意向が強く反映されるため、ここに人脈がなければトップになることはできません。歴代の生え抜き会長が政治記者や報道畑から出ているのも、そのためですよ」(前出の小田桐氏)

 政治家や官僚の人脈も必要になってくるというのだが……。「でも、彼女なら政治家とつながりのある人間が“オレが(有働を)支えてやろう”と言って出てくると思います。それだけ、局内に有働シンパは多いんですよ」(NHK関係者)

 女性初のNHK会長誕生は、そう遠くない!?

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