1年を締めくくるグランプリ。おそらくキタサンブラックかマルターズアポジーが逃げて、道中はスローからミドルペースで進む。だが、騎手の心理には、「グランプリは力を出し切りたい」という気持ちが強く働くはず。3角からポジション争いが激しくなり、ロングスパート戦になるのではないか。そんな持続力勝負に強い馬がいる。サトノノブレスだ。

 天皇賞・秋でも本誌は同馬に◎を打ったが、スローの瞬発力戦で後方からとなれば、出る幕はなかった。淡々とした流れから、長い脚を使って勝ったレースが5走前の鳴尾記念。その際の2着が、香港カップで3着に善戦したステファノスだっただけに、噛み合えばG1級の力を持っている。

 加えて鞍上のシュミノー騎手の存在が大きい。彼は23歳のフランス人で、若手の有望株だ。内と前への意識が強く、コーナーリングが非常に上手い。ノブレスで挑んだ金鯱賞では、出負けしたのにもかかわらず、すぐに先団に取りつく。経済コースを立ち回り、直線へ。馬体重16キロ増の影響もあり、ひと伸び足りなかったが、3着を確保。剛腕も見せつけた。ノブレスは今年に入り、常に騎手が乗り替わっていたが、ようやくの連続騎乗。手の合う騎手を背に最短距離を進み、インを突けば他を出し抜ける。

 人気を背負うのはキタサンブラックとサトノダイヤモンド。前者は、ほぼ死角が見当たらないが、前走が極限の仕上げで上がり目に一抹の不安がある。後者は、皐月賞が案外で、中山コースに未知数な部分が大きい。ともに△まで。

 相手はタフな展開に強い○マリアライトと▲ゴールドアクター。大穴★には馬体重が増え、充実期に入った感のあるヤマカツエース。

 五輪イヤーの有馬は荒れるので、万馬券を狙う。

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