2月には、元プロ野球選手の清原和博(48)が薬物違反(所持)の現行犯で逮捕されたことを受け、野球ファンで知られるたけしは、しみじみと清原の悲運の野球人生を総括した。「すごく変な言い方だけど、ドラフトがすべてだったような気がする。(希望していた)ジャイアンツに入っていたらなぁ。(西武ライオンズに入団して)新人で大物扱いされて、結構、持ち上げられて。あれが運命の分かれ道だったような気がしてね……」

 その清原が憧れた巨人は、3月に4選手による野球賭博問題が大きく報じられた。これには、松本が“最高のツッコミ”を入れている。「巨人に入るって、スゴいことでしょ。スター選手になれば、何億って稼げるわけでしょ。(賭博なんてやっていないで)自分の将来、“才能に賭けろよ”っていう話ですよね」

 4月に最大でM7.3を記録した熊本地震が発生した際は、たけしの過激過ぎる発言が物議をかもした。「(被災地で)空き巣入っている奴、また出ているじゃん。あいつら、射殺しろよ」

 この発言について、前出の渡邊氏はこう分析する。「こうした場合のたけしの発言は、常に弱者の側に立っています。権威や常識を疑い、その矛盾や違和感を笑いに変えてきた、たけしの芸風に通じるところがありますね」

 5月に、米国のオバマ大統領が被爆地・広島を訪問し、謝罪の有無が話題になっていたときに、たけしが語ったこの言葉も、まさに最も弱い立場に立っての言葉だった。「一番たまらないのは一般市民ですよね。小さな子どもが、いきなりドンっとされたのが、それが一番の現実だろ……。だから、戦争に国民を向かわせるということまでの権限を持つということを、政治家の皆さんには考えてもらわなければね」

 6月には、公用車不正使用や政治資金での家族旅行問題が次々に発覚。苦しい言い訳で延命を試みるも、辞任に追い込まれた舛添要一前都知事に、たけしは、「精査なんかしなくたって、単なる万引きの子どもを捕まえるみたいなもんだよ。ちょろまかしただけなんだから」

 と、その小悪党ぶりを分かりやすく説明して都民の溜飲を下げ、松本も、「(周囲の誰もが本人に)“ハゲ”と言えないんでしょうね。裸の王様になっている」と、見苦しいばかりの釈明を続けながら延命を図る舛添氏を斬って捨てた。

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