9月には広島カープが、25年ぶりのリーグ優勝を果たした。お約束のビールかけのシーンが放送された後、たけしは、こんな強烈な皮肉を口にした。「ビールかけで、下にテロップは出ないのかね?“この後スタッフが楽しく飲みました”って」

 テレビ界が直面している規制強化の波は深刻で、わずかなことでもクレームが殺到したり、番組のワンシーンを受けてネットが炎上する昨今。“唯一のBPO(放送倫理・番組向上機構)適応除外タレント”とも言われるたけしだけに、ウップンが相当溜まっているのだろう。

 10月には、スローライフを提唱していた元女優の高樹沙耶こと益戸育江被告(53)が、薬物所持で逮捕されたが、これには松本が、「スローライフって考え方、腹立てへん? 結局、車乗ったり、家電使ったりしとるやんけ! みんながそうなったら誰が車作ったり、家電作ったりするねん! 人の力を借りとるくせに、自分たちだけで生きとるみたいな」と、スローライフの矛盾に噛みつき、多くの視聴者が彼女に抱いていた名状し難い違和感を見事に代弁してくれた。

 師走に入り、12月15日には、安倍晋三首相の地元・山口県で、プーチン大統領を招いて日露首脳会談が行われた。ただ、期待された領土問題については進展はなし。これを見越していたのか、松本は10月に、すでにこんな話をしていた。

「安倍さん一人が正統派レスラーみたいな。(外国の首脳は)みんな場外乱闘で、しかも素顔を見せない覆面レスラーばっかり。覆面レスラー相手に、こっちもいろいろと技を考えないと。アイツら、何枚覆面かぶってるか分からない」

 この発言には、プーチン大統領だけでなく、中国の習近平国家主席、次期米大統領のドナルド・トランプ氏らも含んでいたはずだ。外交交渉の難しさについての松本節だったが、「たけしさんは言わずもがなですが、松本さんの“政治勘”も素晴らしいものがありますね。政治の本質的な特徴を理解できている証拠です」(政治部デスク)

 たけしは、11月の『TVタックル』で、激動の世界情勢で、日本がいかに進むべきか、さらに踏み込んだ、こんな発言をしている。「(日本の政治家には)地球規模で格差社会ができてきて、紛争が起きているときに、大ナタをドンとやるところを見せてほしいよね。(大ナタとは)本当の意味での“日本独立”。それしかないと思うよ……」

 激動の2017年は、この2人に日本を任せたくなってきた!?

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