また、都心の物件は五輪需要で、すでに“売り時”に入っているという。「私も1億5000万円の物件が1億7000万円で売れましたよ。とはいえ、今は銀行が貸してくれやすい状態でもあるので、買い時でもあるんです」

 そこで、菅井氏が薦めるのが、地方の好条件の物件を一棟買いすることだ。「コンパクトシティ化で田舎に住んでいた人が、市内の利便性の高いエリアに引っ越しつつあります。ということは、市内の土地の値段は下がりにくいですよね」

 具体的には、「自分にとって馴染みの深い土地でニーズのありそうな物件をイメージするといい」そうだ。「自分の育った故郷を思い浮かべてください。どこに学校やスーパーがあるか、だいたい把握していますよね。すると、ここに家を建てたら、人が入るだろうなと、イメージできると思います」(同)

 誰もが狙うため割高な、都心の好立地・駅近のマンションを買うよりも、自分しか持っていない情報を活用して選んだ場所のほうが、利益を生む可能性はずっと高いという。「ちなみに今、僕は山形にある駅から3時間かかる場所に戸建賃貸を作っている最中です。そこは民間のアパートが1つもないから、確実にニーズがあるわけです」(同)

 さらに、五輪の訪日外国人需要も見込んで、「江の島付近にホテルを建設予定中です。あの辺りは普通の宿泊施設が少ないですから」(同)

 だが、ここで、「不動産は20年も経つと老朽化して、値下がりするから不安」という声もあるだろう。「高齢になったら、物件を手放せばいいんです。理想的なのは、60代までに不動産投資で一財産を築いて、そこで得たお金を国債や投資信託といった金融資産やインフレリスクを踏まえて米ドルなどに投資すること。そこまでできれば、余生を悠々自適に過ごすことができるでしょう」(同)

 購入時より安い価格で手放すことになっても、家賃収入で十分利益を得たことを考えれば問題はない。

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