また、健康を手に入れるうえで、多くの人が真っ先に挙げる要素が運動だが、「結論から言えば、ダイエット効果などはあくまで食事が主で、運動は補助的なもの。必ずしも病気予防のためにやらなくてもいいんです」(前同)

 特に、毎日3~4時間の立ち仕事を強いられる人は、1年間では、10回のマラソンをするのと同等の健康作用があるとの研究結果が、英チェスター大学から出ているという。

 また、意外にも、貧乏ゆすりも健康には効果的だという。ストレス解消、手足の冷えの改善などの効果があるとされており、みっともないからと止める必要はないのだ。

 さらにこれからの季節、寒い屋外で10分ほど我慢するだけで、意外な効果が得られるという。「アメリカの国立保健研究所の発表では、1時間運動をした群と、室温を27度から12度に下げて10分、寒さを我慢してもらった群を比較したところ、同じ量のカロリー消費だったというんです」(前出の内科医)

 寒い場所にいると、それだけで筋肉からアイリスインというホルモンが出て、これが脂肪燃焼を促すことが分かったという。運動などせずとも、貧乏ゆすりと寒さ我慢と取り入れることで、健康に近づけるのだ。

 さらにオススメしたい生活習慣が、丁寧な歯磨き。「実は、歯周病菌が血栓を作り、心臓病リスクを高め、寿命の長短に直結しているというのが、最近の医学の考え。古代人類の寿命は非常に短かったんですが、それは歯周病による心臓病と考えられていますから。歯ブラシだけでなく、歯間ブラシも使った歯磨きを習慣にしてほしいですね」(歯科医師)

 そして最後に知っていただきたいのが、メンタル面(ストレス)が何よりも大事だということ。「カナダの大学で、5000人の糖尿病患者を、生活習慣を改めるグループと、自由に行動させるグループに大別して13年半追跡したところ、確かに見た目のスリムさや“検査上の数字”は前者のほうが良かったんですが、死亡率や心筋梗塞には、相違がなかったんです」(前出の医師)

 つまり、病気予防や健康のために無理して行う食事制限や運動は、結局は体の大きな負担になっているということだ。健康は、最低限のポイントだけを押さえた不摂生生活にこそあり!

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