2017年も東西の金杯で中央競馬の幕が開く。まずマイル戦で行われる京都金杯だが、例年の傾向を整理しておきたい。馬券に直結するポイントは2つある。

 1つ目は内枠の有利さだ。過去10年を振り返ると1~4枠の連対は1、2着馬がそれぞれ8頭と圧倒的。対して外の7、8枠は勝ち馬が0。2着が1回あるのみ。5、6枠は勝ち馬を1頭ずつ出しているが、連対はこの2頭だけだ。

 内枠が有利なのはコース設定にある。仮柵のないAコース施行は16年秋の4回京都開催以来。5回京都開催がB、Cコース施行で保護された形。いわゆるVロードが出現する。京都のマイル戦はワンターンの競馬だから、馬場のいい内を走る内枠勢が有利になる。

 2つ目はディープ産駒の活躍だ。昨年こそ連対馬はなかったが、初めて出走した12年以降は必ず連対馬を出し、[2・3・0・2]の成績を誇っていた。それでなくても、京都の外回りはディープ産駒が得意にするコース。今年はガリバルディ、ミッキージョイの2頭に十分な注意がいるだろう。

 さて、今回のメンバーで注目がいるのは、なんといってもエアスピネルだ。昨年はクラシック路線を歩んで皐月賞4着、ダービー4着、菊花賞3着と“3強”の前に苦杯を喫したが、必ずしも得意な距離での戦いではなかった。

 2歳のデビュー時はすべてマイル戦を走って1、1、2着。デイリー杯を制し、G1朝日杯FSでも2着の成績を残した。折り合いに問題があるタイプで、ペース的にもベストな舞台はこのマイル戦。いきなり資質の違いを見せつけていい。

 菊花賞のあと一息入れたが、乗り込みも順調だ。初時計が12月7日のCW追いで4F55秒7。1週間後の14日には坂路で53秒6-2F25秒2と仕上げ、ペースを上げた。これだけ下地を作っておけば、暮れから年明けにかけての変則調教にも十分に対処できるだろう。内枠が当たれば、それこそ鬼に金棒になる。

 穴馬を1頭挙げればテイエムタイホーだ。スワンS14着、G1のマイルCS13着と2度大敗したが、寒くなればなるほど体調が上がる冬馬。すでに14日にCWで6F84秒2-11秒8の時計が出ており、気配も上昇。ヒモ穴の期待が高まる。

 2000メートルで争われる中山金杯の注目馬はストロングタイタンだ。キャリア7戦で[4・1・0・2]。目下3連勝中の上がり馬だ。「いずれは重賞も」と池江師が期待をかけた明け4歳馬。中山にも向く脚質だから楽しみ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

本日の新着記事を読む