都政改革の旗印を掲げた小池氏は都知事に当選後も、その姿勢を変えずに、勝利をものにしつつある。「“闇に棲む者は光を当てることで力を失う”。これは、僕が小池氏の『希望の塾』で講演したときのタイトルです。内田氏は“ドン”として注目され、力を失った。テレビでも取材に焦る姿が報じられますよね。光を当てたことだけで、成功と言えます。今後、小池氏はどんどん攻め込んでいくと思いますね」(猪瀬氏)

 小池氏の目前にある戦場は、千代田区長選(2月5日投開票)だ。千代田区選出の都議である内田氏の本丸での決戦だが、「小池氏が支持する石川雅己現区長の対立候補として、内田氏は小池都政に批判的な佐々木信夫・中央大学教授を擁立しようとしましたが、断られた。挽回は難しいでしょう」(夕刊紙記者)と、第1ラウンドは小池氏の不戦勝!?

 しかし、真の大一番は7月に控える東京都議選(7月22日任期満了)だ。「知事は民意を受けて選出されますが、都議もまた民意を受けている。これが二元代表制で、知事と議会が対立し、不信任案で知事が失職を余儀なくされる場合もあります」(全国紙政治担当記者)

 議会を押さえれば、政治は安定する。そこで小池氏が目指すのが新党設立だ。猪瀬氏が講演した前述の『希望の塾』は、小池氏の「都政改革」の志に賛同した人々が集う政経塾で、全国から実に4000人近い塾生が集まった。「同塾を母体に新党を設立し、都議選候補を擁立する予定です。自身の新党で自民党を追い込めれば、これほど心強いことはないでしょう」(前同)

 前出の猪瀬氏も、「議席数は、公明党を超えるくらい行くと思っています」と語る。この都議選が“ドン”にとって運命の選挙になる可能性も高い。「1月の千代田区長選は前哨戦で、7月の都議選が勝負です。千代田区は1人区でいわば小選挙区ですから、小池氏が刺客を送り、内田氏にトドメを刺す可能性は十分あります」(猪瀬氏)

 現在の都議会は定数127で、自民60議席、公明23議席。小池新党が躍進すれば、議会のパワーバランスは激変する。前述の『TVタックル』で新党について聞かれた小池氏は、「まだ先の話ですね。状況を見ながらね」と言いつつ、最後は、「わたし、新党作りのプロやからね、言うとくけど」と、関西弁で大見栄を切ったのだった。

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