都議選には、橋下氏が法律政策顧問を務める日本維新の会も候補を擁立する。「昨年12月に初めて東京で政治塾を開催し、都議選候補内定者9人を発表しました。大阪以外では議席が伸びない維新が、どこまでやれるか未知数ですが……」(前出の夕刊紙記者)

 これは小池氏へのラブコールだ、と語るのは、前出の全国紙政治部記者だ。「現在は維新の会の代表でもある松井一郎大阪府知事は、新党が設立されたら“一度ゆっくり話をしたい。大阪の改革が東京でも実現できれば、日本中に改革ののろしが上がる”と維新+小池新党に前のめりです」

 橋下氏自身も、小池都政について、連日のようにツイッターで言及。(五輪会場問題について)<しかし今回の小池さんの政治は大成功だ。1億円減額でも大万歳。1億円だよ! それを100億円以上の減額になる模様。都民はこれだけで小池さんに4年分の報酬を払う価値あり。>

<(都政)小池さん、すでに報酬を半減しているのに、豊洲の責任をとってさらに報酬減額。この捨て身の姿勢が、有権者の支持を集めている。豊洲の問題は都議会の責任も大ありだ。都議会は何してんだ?>と、実に熱烈な援護射撃を繰り広げている。

 大阪市長の退任時に政界引退を宣言した橋下氏だが、「大きな政策を実現せずに退任していて、リベンジの意思は十分にあると思います」(政治ジャーナリストの鈴木哲夫氏)というように、政界復帰は十分ありうる話。それを裏づけるのが、昨年の“クリスマス密会”だ。

 12月24日に、橋下氏と松井氏の“維新両巨頭”が安倍晋三首相と菅義偉官房長官の4人で、ザ・キャピトルホテル東急内のレストラン『ORIGAMI』で2時間半にわたって会談。内容について安倍首相は「今年はいろいろあった。来年もともに頑張りましょうと話をした」と話したが、「真に受ける人はいないでしょう。維新が目指すカジノ誘致と2025年の大阪万博招致、そして衆議院の解散・総選挙での橋下さんの出馬が会談の主な話題ですよ」(永田町関係者)

 この1月とも2月ともいわれていた解散ムードは、現在のところ収まったかに見える。しかし、「解散は、する、するというタイミングでは意味がない。ない、と思えばある、ある、と思えばない」(ベテラン政治記者)というのが、永田町の常識。議員たちは、その雰囲気を肌で感じている。

 衆院定数475に対して294議席を占める自民党勢力だが、安泰ではない。「解散・総選挙で野党が統一候補を立てた場合、自民が50議席以上減るという衝撃の分析結果がある。もし、橋下さんが出てくれれば、維新は関西を中心に間違いなく躍進する。選挙後に維新が自民の補完勢力となって、自公維の連立で3分の2を確保、というのが安倍さんの青写真だ」(前出の永田町関係者)

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