今年の東京新聞杯はエアスピネルがいるので堅そうだ……とお考えの方もいるだろうが、レースそのものが波乱傾向だけに、ひねって入る手もあると思う。過去10年の東京新聞杯で1番人気馬は[1・1・1・7]、2番人気も[2・1・1・6]と走っていない。昨年は5、6、11番人気の決着。一昨年は3、9、1番人気。さらに3年前は8、3、5番人気と、特にこのところ荒れている。

 波乱の背景には、前走重賞好走馬が振るわないことがある。過去10年、前走で重賞を勝ってきた馬は[0・1・0・7]。重賞2着馬は9頭、3着馬は7頭いてそれぞれ東京新聞杯では3着が1回ずつあるだけ。つまり、前走重賞で馬券に絡んできた馬は[0・1・2・21]と悲惨な成績なわけである。なまじ人気になっていることもあり、このグループの複勝回収率も21%しかない。

 ではどんな馬を買えばよいか。以前は準オープンを勝ちたての馬がかなり強かったので、ロイカバードという手もある。ただ、現時点から10年さかのぼると前走条件戦組は[2・0・0・7]。サンプル不足とも思えるし、そもそもちょっと古い戦術になっている可能性もある。

 ならば、前走重賞4着以下組を探すしかない。その前提でさらにデータを分析すると、ひとつ興味深い結果が得られる。前走もマイルの重賞を走っていた馬は[2・2・2・30]で複勝率16・7%。それに対し、1400メートル組は[2・0・2・9]、2000メートル組はやや数が少ないが[0・1・2・6]でともに複勝率は30%台ある。さらに2200メートルからきた馬が[2・0・0・3]という成績を残していたりする。

 つまり、今回と同距離であるマイルの重賞で大敗してきた馬の巻き返しは難しい。しかし、別の距離で負けてきてここへの条件替わりがプラスに働くという馬は狙える、というわけである。

 前走好走馬では、ブラックスピネルを馬券上では強調したい。エアスピネルと前走における差はわずかなのに、人気の差は大きい。差せる展開ならば出番があるはずだ。

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