今から始める「とっておきの花粉症対策」決定版!

 巷では“効果テキメン”といわれる治療や対症療法は数多あるけれど、本当に効くのは、いったいどれか!?

 今年もまた、スギ花粉に悩まされる嫌~な季節が近づいてきた。しかも、今年の花粉の飛散量は昨年の約2倍との予測もあるから、花粉症に悩む人にとっては、なんとも憂鬱だ。

 花粉症は、基本的に抗アレルギー薬の服用と花粉を取り込まない方法で対処できるとされているが、耳鼻科に行く時間はないし、薬局で買える薬は効果が薄いうえに、お金もバカにならない。それに毎日、マスクをして外出するのもうっとうしい。花粉症の人は、体質改善をして花粉症を治す術はないものかと思いたくもなるだろう。

「医療機関でも、体質を変えてアレルギー反応を抑える“減感作療法”という治療がないわけではないのですが、その効果が発揮されるまでには数年間にわたり通院しないといけません」 こう語るのは、「五本木クリニック」(東京都目黒区)の桑満おさむ院長。

 薬もマスクもイヤ! かといって、通院でお金や時間がかかるなんて、もっとイヤ! そこで、つい魅力を感じてしまうのが“民間療法”だ。テレビや雑誌などでは“アレが効く、コレが効く”と、あらゆるものが何十年も前から取り上げられてきたが、その効果はどれほどのものなのか。

 厚生労働省が2007年からアレルギー鼻炎患者計8500人を対象に行った全国調査結果などをまとめた「花粉症の民間療法について」(千葉大学大学院・岡本美孝教授)によれば、そのうちの2~3割が民間療法を試したことがあると回答したが、その効果についての評価は、「少しある」と答えた人を含めても30%以下だったという。

「民間療法は、即効性という面では、なかなか難しいものがありますが、今の時期から行えば、アレルギー体質が改善され、花粉症の本格シーズンが到来しても、予防ないし症状緩和が期待されるものはありますよ。厚労省の評価は、ちょっと辛口すぎですね」(前同)

 そこで本誌は、花粉が飛び始める前の今から実践すれば間に合う、有望な民間療法を厳選してみた。まず、紹介したいのが「シジュウム茶」。先の厚労省報告でも、40%の人が<効果あり>と回答している。「漢方」(50%)とも大差なく、同じお茶でも、一時ブームになった「甜茶」(14%)を大きく上回っている。シジュウム茶は、南米の熱帯原産の植物で、ジュースでおなじみの「グァバ」の一種だ。現地では、古くから民間薬として親しまれているという。

「シジュウム茶に関しては、国も研究に乗り出しており、動物実験などの分析の結果、ヒスタミンなどのアレルギー反応物質を抑制するだけでなく、アレルギー反応の根本である抗原抗体反応も抑えることが分かってきています」(医療ジャーナリストの牧潤二氏) 耳慣れない名前のお茶だが、これは試してみる価値はあるだろう。

 近年、しきりに取り上げられているヨーグルトや乳酸菌はといえば、前出の厚労省報告では、<効果あり>が30%以下と低調気味だ。しかし、これには注目したい食べ方がある。それが、ヨーグルトにミカンの皮を加えて食する方法だ。

 この方法は15年4月、愛媛大学の菅原卓也教授が学会で発表したもの。「βラクトグロブリン」というタンパク質の入ったヨーグルトに温州ミカンの皮をすり潰して入れたものを、スギ花粉症患者26人に1日1回飲んでもらったところ、2週間後には、その全員が、目のかゆみの症状が大きく改善したというのだ。

「温州ミカンの皮に含まれるポリフェノールの一種・ノビレチンとの相乗効果が、免疫細胞の反応を抑え、また、ヒスタミンなどの化学物質の放出も抑えたそうです」(前同)

 ミカンの皮が出てきたところで、同じ柑橘類の「ジャバラ」も取り上げたい。このジャバラは、和歌山県北山村が原産の柑橘類で、同村が村興しの一環として発売したところ、花粉症に効くとの口コミで爆発的ヒットになった。

 北山村が花粉症の患者1000人をモニターした調査では、約50%が<効果あり>と回答。そして05年、岐阜大学の研究で、「ジャバラの果皮に抗アレルギー作用がある成分が含まれている」と発表された。「ジャバラは、ユズやダイダイ、カボスの仲間。これらの皮にも、ミカンと同様の効果が期待できるのではないでしょうか」(同)

 ここで目を転じて、厚労省の報告で50%の人が<効果あり>と答えた「漢方」の見地からも見てみよう。漢方の専門家である「和光治療院・漢方薬局」(千葉市)の平地治美氏(薬剤師、鍼灸師)が勧めるのは「スギナ茶」だ。

 スギナはツクシが生長して葉が出てきた茎部分のこと。利尿作用があることで、昔から生薬として利用されてきたが、近年は花粉症への効果が注目されている。「スギナには、アレルギー反応を起こすヒスタミンなどの化学物質を抑制する成分が含まれているといわれています。煎じたものを1日3回服用し続けると、花粉症に限らず、アレルギーのある人の体質改善を促すとされます」(平地氏)

 同じく、昔から痔や便秘の改善に利用される「ドクダミ」にも、花粉症の予防効果があるという。「ドクダミの薬効成分は、乾燥させるとほぼ失われてしまうので、お茶としてではなく、ドクダミの生葉の臭いを嗅いだり、手で揉んで鼻に詰めたりするのがよいでしょう」(前同)

 ここまで予防効果のある民間療法を見てきたが、シーズン到来後の対症療法に効果が期待できる民間療法も紹介しておこう。まずは、コアラのエサで有名な「ユーカリ」から抽出した油のアロマテラピー(芳香療法)。中国の漢方薬とは少し違うが、イギリスでは、ユーカリの油が咳、気管支炎、インフルエンザなどに効く医薬品として利用されているのだという。

「呼吸器系の炎症、免疫調整作用などの成分があるとされます。コップのお湯に1~2滴を落として湯気を吸い込む方法や、入浴剤として使う方法がありますが、花粉の季節は、マスクに染み込ませれば即効性も期待できます」(同)

 お次は、「太白ゴマ油」を点鼻するというもの。ゴマ油といえば、茶色いゴマ油が一般的だが、焙煎せず無色透明のこらちも、スーパーなどで販売されている。これをスポイトで左右の鼻に5~10滴たらし、5~10分染み込ませ、喉に降りてきた油は口にためて最後に吐き出す。終わったら、鼻をかみ、うがいをする。

「使うときは、必ず火にかけて100度以上に熱したものを冷まして、フキンなどで漉(こ)してから使ってください」(同) これは、インドの伝統医学「アーユルヴェーダ」の手法に基づくもの。簡単にいえば、油で鼻の中をコーティングして花粉をブロックしてくれるのだそうだ。

「花粉症以外でも、頭痛や目の痛みをはじめとする“首から上の症状すべて”に使えます」(同) 民間療法も捨てたものではない。これで医者や薬に頼らずとも、花粉シーズンを乗り越えることができると言いたいところだが、前出の桑満院長が言う。

「効果の個人差は大きいですし、民間療法の中には怪しいものもありますから、その点はご注意ください。それから、すでに別の病気で受診をされている方は、これらを試して大丈夫かと、相談されたほうがいいと思います。また、症状が重い方は、やはり医療機関の受診をお勧めします」

 これらを肝に銘じ、自分に合った民間療法を見つけて、花粉症の季節を乗り切ってもらいたい。

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