今週は京都できさらぎ賞、東京で東京新聞杯が行われる。ともに春G1をにらむ重要な一戦である。

 まず、きさらぎ賞は3歳馬による戦い。昨年の勝ち馬は、あのサトノダイヤモンド。暮れの有馬記念を制して最優秀3歳牡馬に選出された。同じ池江厩舎から今年も期待馬が出走する。2戦2勝のサトノアーサーだ。

 10月阪神のデビュー戦は重い馬場に苦しんだ。中団後ろから3~4角でも置かれ気味。4角でもまだ6番手(11頭立て)だ。逃げた勝ち馬には差し届かないと思えたが、ラスト1Fから猛追。なんとか同着に持ち込んだから勝負強い。

 2戦目の12月阪神のシクラメン賞は楽勝だった。前半は初戦同様に中団より後ろの位置にいたが、勝負所での行きっぷりはよく、直線はゆっくり外へ出す余裕があった。追い出すと反応も鋭く、1F過ぎに勝負を決めていた。ラスト100メートルは流す余裕。それでいて上がり3Fは32秒7だ。大きなストライドで、瞬発力は抜群。走るディープ産駒の良さが前面に出ていた。

 2戦目の楽勝劇は使った上積みが大きかったが、3戦目はまだ仕上がりが進んでいる。1月15日の坂路56秒2が初時計だが、4日後の2週前追い切りはCWで古馬オープンを相手に3頭併せ。その内容も前を追いかけ、後ろからプレッシャーをかけられる3歳馬にしてはキツイ併走。直線も3頭の真ん中だ。それを楽に弾むようなフットワークで最先着したから、やっぱり凄い素質の持ち主。

 デビューから3戦目で、きさらぎ賞は昨年のダイヤモンドと同じ。仕上げ過程もなにやら酷似する。実戦ではどんな勝ち方を見せるのか。春クラシックへ向け、内容も問いたい一戦だ。

 マイル戦で争われる東京新聞杯はエアスピネルで不動だろう。マイル路線への転向第1戦は前走の京都金杯。結果はハナ差の辛勝だったが、道中は馬込みの中で再三、頭を上げるシーンがあった。折り合い面の難しさ。そして直線で早め先頭に立つ形は並みの馬なら敗れていた競馬。それを勝ち切った点に非凡さが見てとれた。

 休み明けを使っての上積みも今回は大きい。レース6日目に坂路で15-15を乗れるほど元気がよく、馬体はよりシャープになっている。舞台はG1安田記念と同じ設定。マイル路線の主役へ、地歩を固める一戦になりそうだ。

 馬券相手で面白いのは3走前からマイル路線にシフトしたロイカバード。非凡な決め手があり警戒がいる。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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