「自動車摩擦レベルではごまかせても、為替レートは全産業に関わる話ですからね。それに円安誘導は、いわばアベノミクスの“手品のタネ”とも言える部分。おいそれと譲るわけにもいかず、さりとて無下に突っぱねれば機嫌を損ねる。難しい舵取りです」(前同)

 そんなロープ際の攻防の中、さらに左フック気味にかましてくると思われるのが、在日米軍の駐留費用負担の問題だ。「米国の金と軍隊を使って他国を守ってやるのはおかしい」と常々吠えるトランプ氏は、「我が国の要望を飲まないなら、米軍をすべて引き上げるぞ!」と脅しをかけてくると思われる。

「しかし、仮に全額負担となっても、増加分は数千億円レベルといわれています。憲法改正を目指す首相としては、むしろそれで“いつまでも米国は守ってくれないのだから、自衛隊ももっと戦えるようにするべき”という方向に世論を誘導でき、好都合。国内で揉めるのは必至なのでホイホイと“いいですよ”とは言えませんが、これを弱味に経済問題で譲ることはないでしょう」(全国紙記者)

 趨勢がどうなるにせよ、今を限りと猛ラッシュをかけてきそうなトランプ氏。「対して首相は、“長いつきあいになるんだから、まあ、おいおいの部分はおいおい話しましょう”と、うまくいなす必要が出てくる。そのためにも、まずホットラインを築いておくことが今回の重要課題ですが、現状、直通の電話番号は知らないはずです」(前同)

 ガードは固そうだが、その番号をゲットする好機があるという。「トランプ氏は無類のゴルフ好きで、就任前に首相がゴルフクラブを贈ると“アビー(安倍)はなかなか話せるな”と喜んだそうです。1月28日の電話会談でも、トランプ氏のほうから“首脳会談の後、ゴルフに行こうぜ”と誘われたそうですから、一緒にラウンドするときが、番号を聞き出す千載一遇のチャンス」(同)

 首相もかなりの腕前ながら、なんとトランプ氏はハンデ3という驚異の実力。ボロ負けしてもなめられるし、勝ったら勝ったでヘソを曲げそうだ。日米の行方を占う大一番は、実はアフターのゴルフにあり!?

本日の新着記事を読む

  1. 1
  2. 2