今週は栗東・友道厩舎に大注目がいる。日曜京都のメイン、京都記念にマカヒキ。土曜東京のクイーンCにアドマイヤミヤビ。主役2頭がスタンバイだ。

 まず京都記念のマカヒキは昨秋の凱旋門賞以来の出走だが、放牧で完全にリフレッシュされた。2週前追い切りの時点で馬体はまだ立派だが、トレーニングを積めば加速度的によくなる雰囲気がある。体に膨らみがあって、筋肉量も豊富。明け4歳の成長も見て取れる迫力ボディだ。

 振り返れば昨秋はこの膨らみが足りなかった。身のこなしにも硬さがあった。激闘だったダービーの疲れが抜け切っていなかったのだろう。前哨戦を制したものの、本番の凱旋門賞で14着に崩れた理由の一つになっている。捲土重来を期す今年は初戦からムーアの騎乗。仕上げ度を高めて好発進を切りそうだ。

 クイーンCのアドマイヤミヤビも好素質の3歳牝馬だ。ハイレベルとされる今年の牝馬勢だが、戦績は3戦2勝2着1回。クラシックでも勝負になる馬だと評価している。

 ただし、陣営が春の大目標に置いているのはオークス。折り合いがつき、息の長い末脚は確かに東京2400メートル向きだ。今回のポイントもそこにあり、マイル戦でどんな走りを見せるかだろう。

 2000メートルに距離を延ばした前走は牡馬のカデナ(直後に京都2歳S勝ち)相手に快勝したが、中団から差し切った当時の上がり3Fが33秒5。デビュー時は反応の鈍さがあったが、キャリアを積んで切れ味が出てきた点を重視したい。この反応の早さならマイル戦でも大丈夫。舞台も前走と同じ東京コースだ。

 もちろん、乗り込み量も豊富で、いきなり動ける仕上がり。2週前時点でマカヒキとの併走で7Fから長め追い。先行していたとはいえ、クビ差先着を果たした(7F97秒7-12秒0)。馬体重は480キロ前後と大きめの牝馬だが、タイトルを一つ加えて春クラシックに向かう。

 今週は日曜の東京で、もう一つ注目の3歳重賞がある。1800メートル芝で争われる共同通信杯だ。今年も頭数は落ち着きそうだが、メンバーレベルは低くない。

 とりわけ注目しているのがムーヴザワールドだ。9月の阪神でデビュー勝ち。2戦目の前走がG3東京スポーツ杯。3着に敗れたが、着差はクビ+ハナ。500キロ超と大型のディープインパクト産駒だが、昨年のダービー馬、マカヒキに似た大物感がある。放牧充電で迫力を加え、重賞獲りのチャンスだ。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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