誰をベンチに下げても、年俸2億円前後の戦力が飼い殺しになるのだが、問題はその先にある。「競争の結果なら納得できるでしょうが、おそらくマギーは外国人選手にありがちな、開幕一軍を契約の条件にしているはず。つまり、一塁・阿部、三塁・村田のいずれかがワリを食うことになる。どちらが外れても、チーム内の雰囲気を悪化させる要因となるでしょうね」(前出のデスク)

 そこで特に心配なのが、阿部の存在だ。長らくチームの大黒柱だっただけに、阿部のチーム内での存在感は、とてつもなく大きい。「阿部がロッカールームに入ってくると、途端に雰囲気が変わるといわれるほどのオーラを放っていますからね。さらに阿部は、親分肌で徒党を組むタイプ。彼がチーム内の不満分子となれば、他選手への悪影響は甚大です」(スポーツ紙巨人軍担当記者)

 他の選手たちに対する面倒見のいい親分肌の阿部が張り切れば、いやおうなく監督とは別の“中心”が生まれてしまう。一歩間違えれば、阿部と由伸監督の亀裂が、さらに大きくなるかもしれないのだ。

 この「レギュラー白紙」宣言が落とす火種は、それだけではない。「競争心をあおって士気を高めるのが悪いことだとは思いませんが、そもそも選手を獲りすぎなんですよ。これじゃあ、どう考えても消化不良が起こる」(前出のデスク)

 たとえば投手陣。先発では山口俊、吉川光夫の加入で、ローテーションは盤石になったが、「内海、杉内、大竹らのベテラン勢が中継ぎに回ることもありえます。特に杉内と大竹はFA組です。プライドが変に作用しなければいいですが……」(前同)

 リリーフ陣にも同じような問題が発生しつつある。「FAで森福を獲ったのに、新外国人で164キロのスピードボールを投げるカミネロを獲ったでしょ。いったい何がやりたいんですかね。それ以外にもリリーフ陣は、澤村、マシソン、山口鉄也……。ワンポイント起用が嫌で移籍してきた森福がワンポイントに逆戻りなんてことになったら、一悶着あるかもしれませんよ」(前出のスポーツ紙記者)

  1. 1
  2. 2
  3. 3