ここまで見てきて気づいた読者がいるかもしれないが、今シーズンの巨人は、投手のマイコラスとマシソン、野手のギャレットとクルーズという外国人が残留するにもかかわらず、2人の新外国人を獲得し、明らかにパンク状態なのだ。「外国人は4人までしか一軍登録できませんからね。このうちの誰か2人は、二軍生活を余儀なくされるんです」(前同)

 前述のように、外国人は契約に「一軍」という条件を盛り込んでいるケースもあれば、さらには、監督でさえレギュラーを外せないというアンタッチャブルな契約を結んでいる場合もないわけではない。「まあ、その辺はうまく契約しているんでしょうが、6人とも高額な契約を結ぶプライドの高い選手たちでしょうから、試合に出られないとなれば、もめる可能性は高いですよね」(同)

 ここまできたら、監督を越えてフロントの責任とも言えるだろう。これが最大の問題だ。巨人の場合は特にそうだが、フロントのワガママで現場にしわ寄せが来る場合が少なくない。そもそも由伸監督は、一昨年に原・前監督が突然に退任した余波で、監督の座に座らされたという経緯があり、昨シーズンは思うような采配が振るえなかった。

「そりゃ、そうでしょう。コーチ陣は井端以外の全員が年上。しかも、自分で組閣したわけではなく、球団からのお仕着せです。これじゃあ、自分の色を出そうにも出せませんよ」(同)

 不慣れな指揮官をベテランのコーチ陣が支える形を取るのはごもっともだが、これがなんとも心許ない。「巨人軍のフロントは、昨年の負け試合を分析した結果、尾花投手コーチの手腕に大きな疑問を感じたといいます」(前出の担当記者)

 具体的には、投手がピンチのときに、マウンドに駆け寄るタイミングが常にワンテンポ遅れていたという。投手コーチがマウンドに行くタイミングで悪い流れを断ち切ったり、マウンドの投手を落ち着かせたりすることができるものなのだが、これが常に後手後手に回っていたというのだ。

「そこまで分かっていても、フロントは尾花コーチを留任させていますし、監督がやりやすいように、思い切って、同い年の盟友・井端を作戦コーチあたりに抜擢するぐらいのこともしない。結局、監督に何をしてほしいのか、フロントの意図が、まったく見えてこないのが一番の問題なんですよ」(前出のデスク)

 この体質が変わらない限り、前途は暗い。由伸巨人のV奪還は、いったい、いつになるのか――。

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