2月最初の競馬(4日、5日)は、10鞍に騎乗して3勝、2着2回、3着2回。今年、密かに狙っているリーディングも2位まで浮上しました。

 いいことずくめ? いえいえ、そうでもありません。騎乗したレースは全部勝ちたいというのが騎手の性のようなもので。決して引きずることはありませんが、それでも勝ちきれなかったレースに思いは残ります。

 中でも、ここを勝って、次は4月23日の「マイラーズC」から、春の大目標、6月4日のG1「安田記念」に駒を進めたいと思っていたエアスピネルにとって、「東京新聞杯」での負けはレース後、“うーん”と頭をひねる負け方でした。

 力勝負を挑んで負けたのなら、それは勝負の世界ではある意味、仕方のないことで、スパッと割り切ることができます。ちょっとした展開のアヤ……前の馬がヨレたとか、内に閉じ込められたとか、こじ開ける隙間がなかったとか、それはそれで諦めもつきます。

 でも、東京新聞杯のように良馬場で行われた古馬の重賞レースで、あそこまで極端にペースが遅くなってしまうと(3ハロン通過が37秒2)、後続の馬はお手上げです。

――自分から積極的に仕掛けていけば……。そう思われる方もいるでしょうが、G1という大きな勲章を目指しているチーム・エアスピネルにとって、それが果たして正しい選択なのかどうか。後々、それが仇となるケースを、これまでたくさん見てきた僕にとっては、すごく悩ましいところです。

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