例年より雪が多かった今冬の栗東トレセンだが、早くもG1戦の開幕だ。今週の日曜日にフェブラリーSが東京競馬場で行われる。

 昨年の勝ち馬は4歳馬のモーニン。1マイルダートを1分34秒0のレコードタイムで制した。今年は鞍上にムーアを迎えて連覇を狙っている。ただし、調教過程からは疑問符が付く。1月18日に坂路で55秒4の初時計を出したが、その後、2月1日まで攻め時計がない。2週間ぶりの坂路追いも56秒3-14秒2の軽い調教だ。あと2週間あるとはいえ、果たして間に合うのか。昨年ほどの勢いを感じさせない近走からも大きな期待はできないだろう。

 ◎の期待はコパノリッキーだ。昨年はかしわ記念、帝王賞、南部杯と地方G1を3連勝。特に10月の盛岡で行われたマイルダートの南部杯は1分33秒5と芝並みの時計。もちろんレコードだった。

 ところが、続く3走はJBCクラシック5着、チャンピオンズC13着、東京大賞典5着という物足りない結果だ。考えられる敗因は、大レコードで走った疲れを持ち越していた可能性。加えてライバル陣から徹底マークにもあった。スムーズな先行策が取れないばかりか、外から被されると怯む弱点を衝かれる競馬が多かったのだ。3走連続の敗退なら、そろそろマークも緩むだろう。

 今回は好材料も揃う。初G1がこのフェブラリーSだったように本質はマイラー。G18勝のうちマイルG1は5勝だ。特に左回りでワンターンの東京千六ダートはベストな舞台。昨年のフェブラリーSは先行策が取れず7着に終わったが、14年、15年と連覇したレースだ。差し、追い込み馬に注目が集まる今年。先行馬が少ないのも歓迎材料である。

 さらに鞍上は年明けから快調に勝ち星を伸ばす武豊。5走ぶりにコンビが復活する。過去[5・0・1・3]の好相性で、うちG1勝ちが4つもある。

 前走後に一息入れて馬体に膨らみが戻ったし、1月29日に坂路初時計のあと、CWの2週前追いは上がりシャープに3F38秒7-12秒1をマークした。“大復活”は十分ありえる。

 強敵は前哨戦の根岸Sを制したカフジテイク。武器はもちろん強靭な末脚。上がり3Fは芝並みの34秒台で追い込んでくる。ベストは前走の7Fだが、厚みを加えたパワフルな馬体からスタミナ面も強化されているから怖い。あとサウンドトゥルー、ベストウォーリア、ノンコノユメにアスカノロマンの押さえもいる。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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