一方、五輪と並んで小池氏が目下の課題とする豊洲新市場移転問題では、角谷、有馬の両氏が「4」の高評価。ただし、そのニュアンスはかなり違う。「昨年11月の移転予定日の直前に待ったをかけたのは大変な覚悟、勇気がいること。水面下では、いろんな駆け引きがあったはず。ですが、行政の失敗があれば止める。それこそが政治家の役目です」(角谷氏)

 これに対して有馬氏は、「そもそも、地下水の安全性の確認は9回やる予定でした。それを、五輪があるからと、まだ7回の時点で工事を始めたのが間違いなんです。そして、小池さん就任直後の8回目で悪い数値、移転延期後の9回目でもっと悪い数値が出た。だから、ルールに従った小池さんが正しい。ただ、もし9回目で悪い数値が出なかったら、高額な維持費などをつつかれ、苦境に陥っていたかも。運もあると思います」

 対して、鈴木氏は「3」の評価。豊洲新市場移転を見切り発車した“黒幕”石原慎太郎元知事ならびに周辺への追及が、少し甘かったとみる。「石原さん、彼の知事時代のランチミーティングのメンバー、当時の副知事など、もっと積極的、広範囲に事情聴取できたはず。ただ、今後は議会の場でもっとやるでしょうから、その期待も込めて3点にしました」

 12年5月、東京ガスの工場跡地を市場用地として購入したのは誰あろう石原氏。都はこれまで、その責任を認めてこなかったが、2月7日、ついに石原氏の参考人招致を都議会で決定した。「当初は東京ガスが土壌汚染対策をして土地を引き渡すはずでしたが、東京ガスは約80億円で一部の対策をした程度で、その後は東京都が実施。費用が800億円余りに膨らみました。この不可解な経緯が追及の焦点になるはずです」(全国紙政治部記者)

 石原氏の招致の実現は、都議会自民党が「このままでは7月の都議会選の勝敗に左右する」という危機感を募らせた結果。「小池旋風」に屈した格好だ。

  1. 1
  2. 2
  3. 3