「新たなことにトライするとき、脳細胞はフル活動します。これが格好のボケ防止になるんですが、同じことばかりしていると、脳はどんどん錆びてしまうのです。また、人との交友や会話も脳を活発にするのですが、ワガママやガンコな性格の人には、人が寄ってこなくなり、認知症の引き金になります」

 なお、人との交友で脳が最も活発に働くのは、異性との交友。どうしたら相手に好意を持ってもらえるか、デートにどう誘い、デートをする場所はどこがいいかなど、頭がフル回転する。老人介護施設でも、「異性に関心を持つ老人はボケない」ことが知られている。まだ若いのに、異性関係を諦め、身だしなみに気を遣わないような人は、努めて異性に関心を持つ必要がありそうだ。

 一方で、日本で最も死亡率が高いがん。これも発症しやすい性格がある。「がんになりやすい性格を『タイプC』と名づけたのはアメリカの心理学者のリディア・ティモシェック。CはCancer=がんの略で、ひと言で言えば他人の気持ちを先に考える人がかかりやすいと報告しています」(医療ジャーナリスト)

 認知症になりやすい「ワガママで人に心を開かない」性格とは真逆だが、彼女の分析は、皮膚がん患者からの聞き取り調査がヒントになっているという。「インタビューに応じた患者のほとんど全員が、“がんの告知を受けたとき、自分の死より、周囲の人が悲しむことを心配した”と答え、調査の際にも、昼食を抜かしてでも応じるなど、献身的に協力してくれたそうなのです」(前同)

 まさに人に気を遣う、聖人のような人ががんにかかりやすいのだ。さらには、
 ●自分の感情を隠し、外界に対応している
 ●がんに対する恐れや悲しみを、自分で認めることがない
 ●偉い人にへつらうなど、他人との関係に過剰な努力をしている
 などという性格も明らかになった。つまり、自分の喜怒哀楽を押し殺してでも、他の人との関係を良好に保とうとする性格なのである。

 いったいなぜ、このような気配りタイプが、がんにかかりやすいのか? 「実は、ストレスを内に溜め込み、発散する場や相手がない人は、がんにかかりやすいという疫学調査も少なくないのです」(同)

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