官僚たちの「ひどすぎる天下り」、庶民が知らないその実態の画像
官僚たちの「ひどすぎる天下り」、庶民が知らないその実態の画像

 一向に好転しない庶民の生活も意に介さず、組織と自分の利益のために血税をしゃぶる。見よ、これが腐敗国家の“公僕”たちの姿だ!

 アベノミクスだ、株高だといわれても、しょせんテレビの中の話。相変わらず、実感する景気は悪いままという人がほとんどだろう。「日本銀行の昨年12月の意識調査では、暮らしに“ゆとりが出てきた”という回答はわずか4.6%。“どちらとも言えない”が52.3%、“ゆとりがなくなってきた”が42.9%という結果が出ています。調査対象には経営者も勤労者も含んでおり、勤労者だけ見ると、もっと悪いかもしれません」(経済誌記者)

 1年後の収入や雇用の不安を“少し感じる”“かなり感じる”と答えた人も、合計78.8%にのぼっている。だが、世の中には、不安と背中合わせの暮らしを強いられる庶民をよそに、ぬくぬくと甘い汁を吸う輩もいるのだ。しかも、血税で。「今年1月、文部科学省が、退職した官僚に早稲田大学教授の座を斡旋していたことが発覚。事務次官が辞任する騒ぎになりました。その後、この問題をきっかけに、文科省が組織的に“天下り”を斡旋していた事例が次々と明らかになったんです」(全国紙記者)

 その後の内閣府の調査で、早稲田大学の他、慶應大学、筑波大学、公立学校共済組合、明治薬科大学など、40件近くの教育機関や団体への再就職が違法性を指摘されている。その中心にいたのは、一人のOBだ。「嶋貫和男氏という人事課OBが、文科省を退職した2009年頃から、退職する職員の情報を文科省から受け取り、それを大学や企業、団体などに伝える、天下りのハブの役目を果たしていたんです」(前同)

 かつては、どこの省庁も文科省と同じく人事課が天下りを斡旋していたが、07年の国家公務員法の改正によって禁止されている。だが、今回の嶋貫氏はすでに退職後の身で、文科省の外部に「文教フォーラム」という団体を作っていた。ここを拠点にすることで、法の網の目をくぐり抜けたというわけだ。2月7日、参考人として国会に呼ばれた嶋貫氏は、議員らの追及に陳謝しつつ、「人助けという思いで行ってきた」と答弁。議場では失笑が漏れる場面もあった。

「国家公務員の中でも上席のほうに出世したキャリア官僚は、退職したら関連業界に適当なポストをもらい、2年くらいでまた退職して何千万円かの退職金をもらい、さらに違う団体へ――という“渡り”を繰り返して、大金を稼ぎます」(ジャーナリストの安積明子氏)

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