また、たいていの人が1つは入っている民間の保険も見直したほうがいいかも。ファイナンシャルプランナーの肩書もある光嶋卓也氏は、こうアドバイスする。

「もし入院することになった際、差額ベッドや保険外診療などのサービスを受けたいのなら別ですが、我が国では高額療養費制度があるので、たとえ生死に関わる大手術を受け、長期入院を余儀なくされても、月給50万円未満の会社員の場合で、かかる費用は月に約8万円。年収の平均月収が50万円未満の自営業者の場合も、同じく約8万円です。まして70歳過ぎると、月4万円少々ですから、“医療保険は無駄”との考えも分からなくもありません」

 たとえば40歳のときに、『20年掛け捨て』の医療保険に入っていたとしよう。毎月の支払いが約3800円とすると、総支払い額は約90万円。一方、入院する事態になったとしたら、入院1日ごとに支払われるのは5000円。なお、がんも心臓病も、平均入院日数は約20日に過ぎないのに、180日ほど入院しなければ、元が取れない計算だ。

 また、医療費控除もうまく利用したい。年間10万円以上(所得200万円未満の場合はその5%)かかった場合、確定申告すればその額に応じて税金が戻って来るわけだが、その対象となるのは「診療代」「薬代」に限らない。「治療のためのマッサージ代、骨折した場合は松葉づえ代、病院までの交通費なども含まれます」(大谷氏)

 東京や大阪などの都市部に住んでいて、自家用車をお持ちなら、その見直しも一考の価値アリ。いわゆるカーシェアリングは今後、ますます普及する見込みだ。

「とにかく安い。月額基本料金は1000円ほどで、利用料金も安いところだと15分200円ほど。ガソリン代、事故保険料も含まれてコレですよ」(大谷氏)

 これに対するマイカーのケースを見てみよう。価格180万円の普通自動車(1800cc)だと、購入代の他に1年目は税負担が約41万円、2年目以降も約19万円もかかる。さらに車検代、駐車場代などを加えれば、平均して毎月10万円近くが、軽~く飛んでいくのだ。

 また近年、高齢者の人身事故が多発していることを思えば、早々に免許返上するのも選択肢の一つかも? 都会に住むなら電車やタクシーを利用したい。

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