ファミコン『ゼルダの伝説』はいかに偉大だったのか?【ファミコン大放談】の画像
ファミコン『ゼルダの伝説』はいかに偉大だったのか?【ファミコン大放談】の画像

 かつてのファミコンキッズが、子どもの頃に夢中で遊んだ思い出をオトナの視点から振り返る。今回のテーマは、ファミコン初期の名作『ゼルダの伝説』。3月3日にNintendo Switchでシリーズ最新作もリリースされたこのタイトルは、第1作目ですでに完成していた!?

<対談者紹介>
◆OYSTER(オイスター):ファミコン大好きな漫画家。現在『月刊まんがタウン』(双葉社)にて『新婚のいろはさん』を連載中。代表作に『光の大社員』『超可動ガール1/6』等。(※OYSTERの「O」は、ウムラウトつきで表記)
◆軽部にーさん:ファミコン大好きな編集者。ゲーム雑誌の編集等を経て、現在はフリーのファミコン好きエディターとして活動中。


軽部にーさん(軽部):今回のテーマは、1986年にファミコンのディスクシステム第一弾として発売された『ゼルダの伝説』です。実は、我々二人の大きな共通点として、「大のゼルダ好き」というのがあるんですね。

OYSTER(オイ):そうですね。昔一緒に『ゼルダ』関係のお仕事をしたこともありますし。

軽部:『ゼルダ』シリーズが大好きな僕たちは、二人ともファミコンの第1作目でもう恋に落ちているわけです。今回はその理由をここでとことん掘り下げてみようかと。

オイ:そもそも『ゼルダの伝説』というファミコンゲームのどこに魅力を感じたのか、ですね。

軽部:そうですそうです。それでいうと、僕はまず「音」のすごさがあるかもしれない。

オイ:うん、確かに音はいい。

軽部:僕がすっごい衝撃的だったのは、ダンジョンなんですよ。うろうろ探索してるときにボスがいる部屋の手前くらいまで来ると、ボスの鳴き声がかすかに聞こえてくる。

オイ:壁の向こうのほうから。

軽部:そう。ブルル~ブルル~って生々しい声が。

オイ:あれは確実に壁の向こう側から聞こえてきましたよねー。

軽部:そうなんですよ。「え、この先にボスいるの?」ってちょっと怖くなったりして、緊迫感がものすごくあおられた。まさに「音の演出」ですよね。

オイ:本当にアイデアの世界。技術的には、たぶんたいしたことはしていないはずですし。

軽部:音の力というものを、この『ゼルダの伝説』で初めて理解できた気がするんです。効果音も際立ってましたからね。デデデデーンとかピロリロリロリーとか。

オイ:宝物取ったときと、何かを発見したときの効果音ね(笑)。

軽部:今やおなじみになってますけどね。もうすっかりすり込まれて、音聞くだけでいい気分になっちゃうくらい(笑)。

オイ:いや、もうこれヌキじゃ『ゼルダ』はできない(笑)。

軽部:オープニングテーマもゲーム中のBGMも、それまでのゲームの曲とは全然違って聞こえたんだよなぁ。

オイ:今聴いてもすごくいい曲ですよ。「ディスクシステム」というハード自体の音質の良さもありましたし。あの音色って、なかなか再現されませんでしたよね。(※注1)

軽部:というか、ディスクシステムが段違いに良すぎる(笑)。

オイ:できればディスクシステムの音で聴きたい曲ですよねー。

<注釈>
※注1:『ゼルダの伝説』はファミコンディスクシステム版以外にも移植されたが、たとえばファミコンカートリッジ版やゲームボーイアドバンス版、3DSのバーチャルコンソール版では、音色がオリジナルとはまったく異なっている。しかしWiiUのバーチャルコンソール版や昨年発売された「ニンテンドークラシックミニ ファミリーコンピュータ」では、ディスクシステム版の音が再現されている。

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