稀代の美少女としてデビューしてから早25年。二児の母となった現在も、ドラマや映画、舞台などで活躍する女優・奥菜恵さん。最新作の裏話からプライベートまで、ぜ~んぶ聞いてきちゃいました!
――最新の出演映画『コスメティックウォーズ』は、化粧品会社を舞台にした産業スパイの物語ですね。
奥菜 スパイといっても、ベースは大政絢さん扮する女産業スパイの葛藤を描いた映画なんです。化粧品会社が舞台だから、女性向け映画と思われがちですが、メインはあくまでも人間ドラマ。男性にも楽しんでもらえると思いますよ。
――その中で奥菜さんが演じるのは、化粧品会社の人事部のスタッフ・峰岸。
奥菜 仕事ができるバリバリのキャリアウーマンって感じで、登場シーンでは一度も笑顔を見せないクールなキャラなんです(笑)。
――峰岸のセリフで“目標を達成するなら、どんな汚い手も使うわ”というのが印象的でした。
奥菜 凄いセリフですよね(笑)。このひと言で彼女がどうやってのし上がってきたかが分かりますよね。
――クールな感じで、まさにハマり役といった印象ですが、ご自身と重なる部分はありますか?
奥菜 全然クールじゃないですよ(笑)。私、実は天然というか、けっこう抜けているところがあって。
――そうなんですか? たとえば、どんなところが?
奥菜 よく人違いをするんです。道でばったり知人に会うと、ちょっと興奮気味に「元気~っ!」って、声をかけちゃうんですけど、違う人だってことが、しょっちゅうあって……ホント恥ずかしいんですよ。そこはちょっと直したいなって思うんですけどね。
――それは確かに、クールとは正反対ですね。そういえば、映画と同時期に出演される舞台『親愛ならざる人へ』では、映画と真逆のキャラを演じられるとか。
奥菜 そうなんです。私が演じている33歳、厄年の女性・本宮華の結婚式前夜を描いたお話なんですけど、華は心の中で思っていることが、言葉としてつい表に出ちゃうんですよ。
――確かに、感情を表に出さないキャリアウーマンとは真逆ですね。オファーの話を聞いたときの感想は?
奥菜 この舞台って、以前放送されたラジオドラマが元になっているんです。出演が決まって、そのラジオドラマの台本を読ませていただいたんですけど、それがホントに声に出して笑っちゃうくらい面白くて。でも、コメディ作品というだけではなく、家族の在り方を真面目に描いた作品なんです。こういう作品ってなかなかないから、やりがいがあるなと思いました。
――心の声と、実際に言おうと思って話す言葉の演じ分けって、難しそうですね。