「言うまでもなく、『笑点』は日テレの大看板番組。たけしも『世界まる見え!テレビ特捜部』を、日テレで25年以上続けています。ともに大事な人気番組だけに、両番組の関係者や日テレの上層部も戸惑うばかりだといいます」(在京テレビ局関係者)

 なぜ、こんなにもたけしはイラ立っているのか? お笑い評論家のラリー遠田氏は、こう読み解く。

「世の中のタブーにも切り込んでいく、ちょっとキケンでとんがった笑いが好きな、たけしさんには今の和気藹々とファミリー感あふれた『笑点』の雰囲気は好みではないだろうというのが一点。さらに言うと、毎週のように“お約束”のようなやりとりを繰り返しながら、そのポジションに安住しているような大喜利メンバーたちの姿が、たけしさんには生ぬるく見えるのかもしれませんね」

 次々に新しいアイデアをテレビに持ち込むだけでなく、自身も映画監督や画家として新境地を開拓してきたたけし。「この数年は、長く袂を分かっていた相方のビートきよしを、自身のオフィス北野に引き入れ、漫才という原点に立ち返る動きもあります」(前出のお笑い業界関係者)

 つまり、常に新しい挑戦をし続けようという、現役の芸人としてのプライド、矜持を、たけしは今も強烈に持ち合わせているということだ。長くたけしを見てきた我々にとって、こんなに喜ばしいことはない。

「誰も何も言わなくなった権威に噛みついてこその、たけしですからね。逆に言えば、それだけ今の『笑点』がテレビ界の中で巨大な存在となっているとも言えますね」(前同)

 ここで一つ思い出すのは、昨年、歌丸の番組勇退が明らかになったとき、次期司会者候補の一人として、たけしの名前も取り沙汰されていたことだ。「同著で、そのことに触れ<『笑点』をこれだけ批判しているオイラでもいいってことなら、ぜひ司会をやらせてほしいよ。そしたら、(初代司会者の)談志さんでも顔をしかめるくらいの大改革を断行してやっからさ>と、過激な番組改革案を提案しています」(同)

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