金鯱賞は今年から時期が移行。年末で有馬記念に一応つながる、というレースだったものが大阪杯の前哨戦となった。ただ想定メンバーを見ると、中山記念にビッグネームがたくさんいたのに対し、こちらはG2らしいという印象。結果次第でドバイが視野に入る中山記念に対し、大阪杯決め打ちとなるここは、G1級が集まりにくいのかもしれない。時期が変わったので過去のデータは使いづらいが、一応、年末時代の金鯱賞を振り返ってみよう。

 年末に移動した12年から16年までの金鯱賞で全馬均等買いした場合の回収率は単勝53%・複勝59%。これは標準的な値よりもかなり低い。5年のみを対象としたデータだが、人気馬の強い重賞だったということが分かる。人気順別成績で見ても2ケタ人気馬が馬券に絡んだことはなく、勝ち馬5頭はすべて単勝10倍未満の馬たちだった。

 前走クラスごとの成績には意外なほど差がなかったが、いずれにしても好走してくることが有利な条件で、前走オープン1~5着馬と6~9着馬の間には大きな成績差があった。勝率・複勝率ベースでは前走成績の良いグループが上位となって当然なのだが、6~9着組から穴も出ていない=回収率もだいぶ低いので、わざわざ負け組を狙う必要がない。以上は時期移行で変わってしまうかもしれない傾向だが、好走馬のタイプはさほど変わらないと思う。

 ここ5年の金鯱賞は鋭い逃げを打つとか後方から上がり最速を使うといった極端な脚質の馬ではなく、好位で競馬を進めてそれなりに上がりをまとめるような馬のほうが好走している。いわゆるキレないタイプの馬がむしろ良いようにも見える。今回は昨年末の金鯱賞で1~3着だった馬がぜんぶ出てくるが、3連複・3連単の軸ということでは2年連続で同レース3着している◎サトノノブレスがよいのではないかと思う。典型的な「キレないディープインパクト産駒」だが、それが逆にこのレース・コースには合っている面がある。

 前走着順の良い馬から選ぶなら香港以来の○ステファノス。こちらは馬のタイプがレースに合っているかどうかというより、地力の違いで勝ち負けになる。あとは脚質に自在性のある▲ヤマカツエースが好位につけた場合が怖い。

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