それでなくとも、少子高齢化により、日本は年金積立金を取り崩しているのだ。「年金給付額が増え、年金保険料収入や税金だけで賄えなくなってきています。毎年、およそ数兆円規模で積立金を取り崩さなければなりません。そこへもってきて、運用に失敗して積立金が目減りすれば、年金制度は破綻の危機に陥ります」(社会福祉労務士)

 最悪の場合、2055年には現在の年金積立金が完全に枯渇するという試算結果もあるという。アベノミクスが失敗するだけならともかく、年金制度が崩壊するとしたら、我々庶民にとって一大事。功名心から大事な年金を原資にバクチを打って、すべてスッたとなれば、国民も首相を許しはしない。その政治生命も、一瞬にして絶たれてしまうだろう。

 そして、経済政策がやや手詰まりになってきた首相が近頃、強調するのが、外交における成果。米国のトランプ大統領やロシアのプーチン大統領らと盛んに会談し、蜜月を演出しているのも、その一環だ。

 だが、その米露コンビが、一転して支持率を“爆下げ”させるジョーカーになる可能性もあるという。これが、第三、第四の爆弾だ。まずは、日米関係。

「日米首脳会談でトランプ大統領との親密度をアピールした安倍首相ですが、全世界でトランプ批判が日増しに高まる中、国際社会においては逆目となる可能性も出てきます。また、嫌な予感がするのが、トランプ氏に対し、米国のインフラ整備のために4500億ドル(約51兆円)規模の投資を行うという大風呂敷を広げてしまったことです」(元外務官僚)

 51兆円といえば、日本のGDPのほぼ1割に相当する巨額。財政赤字に悩む我が国のどこに、そんな金があるのかと思えば、その原資の一部として、またしても前述したGPIFの積立金を充てる案が検討されているという。

「実質的に、庶民の年金を貢物として差し出したようなものです。そこまでするからには大きな見返りを求めるのが当然ですが、現状、そんな気配はない。このまま“食い逃げ”の可能性もありますね」(経済誌記者)

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