次は片頭痛の対処法だが、こちらは、ふだんからの意識が必要だ。なぜなら、「最大の原因はストレス」(清水氏)だからだ。

「疲労や睡眠不足、音、光、臭い、気圧や気温の変化、食べ物など、体の内外のさまざまなストレスが片頭痛を誘発します。また、生あくびや異常な肩こり、あるいは、その人にしか分からない“今から来る!”という予兆があるはずなので、注意してください」(前同) 食生活や乗り物など、日常生活と原因に深い関わりがある。次ページの「Q&A」も、ぜひ参考にしてほしい。

 ここまで二大頭痛を見てきたが、ここ数年で非常に増えている“第三の頭痛”がある。それが、「大後頭神経痛」と呼ばれるものだ。しかも、頭痛薬が効かない厄介なものなのだ。

「これは、互いにリンクしている大後頭神経と三叉神経の興奮によって、痛みが生じます。耳の後ろから、後頭部、前頭部など、痛みが日によって“縦に移動”することが特徴です」(工藤氏)

 前ページの図を見ていただきたい。2つのつながっている神経が原因で、「圧痛点」を押したときに痛みを感じれば、大後頭神経痛の可能性が高い。原因は姿勢の悪さ。特に前傾姿勢をとることで、この神経が引っ張られて起きる刺激が頭痛を起こすのだ。パソコンやスマホを触るとき、あるいは、老眼だからと首を丸めて文字を読むときの姿勢とも言える。そのため、改善には正しい姿勢を意識する必要がある。

「頭が背骨の真上にある状態が望ましいですね。意識してほしいのは、壁に背を向け、かかと、お尻、背中、後頭部の4点を順につけた状態(下写真)。そもそも4点が壁につかない場合は姿勢が悪い証拠。毎日、練習してください」(前同)

 また、この症状には頭痛薬が効かないが、「三叉神経痛の特効薬であるカルバマゼピンが有効です。頭痛薬を日に何度飲んでも痛みが取れない人が、これ1錠で楽になる」(同)と言うのだ。

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