「好楽師匠が扇子の要んとこです。あとは、みんな開いてるだけ。で、あおいでるのが、あの悪い三遊亭円楽師匠。好楽師匠、人もいいし、優しいし、一番です。

 それから弟ですね。三平。何をあいつがしてるかって言うと『笑点』に品格をもたらしてる。わりと普通のおじいちゃんやおじちゃんたちがやってるのを、あの子が締めてる。画面を。品格はすごく大切ですからね。着物の色だって丁子色(注6)選びますからね。若旦那にしか選べない色を選んできやがったな、こいつと思って。私は、やったぜ、と思ってた。

 あとはたい平くん。たい平くんは、一緒に根岸で修業した身ですから。あの人は本当によく働いた。一番働いたの、誰が見ても、たい平くんでした。ただ、ここだけの話、修業中は女遊び、たばこは禁止だったのに、夜中、お弟子さんの部屋で“たい平くん”て呼んでも返事がない。あれ? って蒲団をまくったら、ピンクパンサーのぬいぐるみが寝てた」

――笑点メンバーの意外な過去が明らかになったが、やはり、女遊びは芸の肥やしなのか。

「そんなこと勝手に言ってますけど、肥やしになんかなりません。芸の肥やしは稽古だけです。……ただ確かに、前の夫は遊んでくると、ちょっと匂いが変わるんですよ。落語のね。特に吉原の噺なんかのときに、女の表現が変わる。仕草とか盗んでんな、こいつ、と思ってました。

 弟たちの女関係? 今はまったくないです。ただ、正蔵に関しちゃ、結婚前は相当だし、結婚後もやらかして、フライデーさんにバリバリやられてます。モテんですよ、あんな男が。あの、ずんぐりむっくりが。マメなんです。それで、金持ってるから。変な女ばっかとつきあってんの。趣味が悪いんだよ。

 三平はないです。さっちゃん(国分佐智子)と結婚してから、一切ない。これは私が保証します。あんな性格も最高にいい、かわいい子がいたら、外で遊ぶ気にならないよねぇ。子どもも生まれて次の三平もできたから、もう、すごい安泰です」

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