さあ、そして、今週の騎乗馬です。桜満開の阪神で行われるメインレースは、JRA23番目のG1(ジャンプを除く)として、今年から新たな歴史を刻むことになった「大阪杯」です。

 世界の潮流が距離2000メートルから2400メートルになっていることから、距離3200メートルの「天皇賞(春)」を2000メートルにしたらどうかという声が、ここ数年、競馬サークルのあちこちで囁かれていました。春の古馬戦線は、中距離馬が目指すレースがないというのが、その理由です。海外へと、その道を求める陣営が多かったのも事実です。

 でも、正直、僕はその意見に賛同することはできませんでした。さかのぼると、1905年に行われた「エンペラーズカップ」がその前身で、1937年の「帝室御賞典」から数えて春と秋、併せて154回の歴史と伝統を誇るレースです。加えて、騎手にとって3200メートルという距離は腕の見せどころでもあります。それを安易に変えることには反対でした。

 そこへ浮上したのが、距離2000メートルの「大阪杯」をG1に昇格させるというニュースです。大きな目標が増えるのは大賛成だし、関係者にとっても、騎手にとっても、やる気をアップさせる決定でした。舞台は阪神。パートナーは現役最強馬と信じるキタサンブラック……新たな歴史に名前を刻むのに、これ以上の条件はありません。

 負けられないではなく、勝ちたい……勝たなきゃいけないレースです。

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