「“都議会自民党のドン”内田茂氏との代理戦争といわれた今年2月の千代田区長選では、内田氏の勢力を完膚なきまでに叩き潰した。さらに、築地市場の豊洲移転問題では、逃げ回る石原慎太郎元都知事を、自民党の同意も得て百条委員会の“お白洲”に引きずり出しすことができましたからね。もはや都議会に敵なしと言っても過言ではない状況ですから、ここで一気に強気の攻勢をかけようということでしょう」

 19日には浜渦氏、その翌日には石原氏の証人喚問が行われた。石原氏は昨年10月の小池知事からの質問に、「私自身は、交渉にまったく関与していない。すべて(当時の副知事である)浜渦(武生氏)に任せていた」と述べていた。ところが、実は、豊洲市場予定地の旧地主である東京ガスの社長と非公式会談をしていた可能性が浮上。交渉に関与していないという回答と矛盾が生じていた。

 そして、余勢を駆って、7月2日投開票(6月23日告示)の東京都議会選挙でも、都民ファーストの会が大勝利を収めることは確実な情勢なのだ。まず、公明党を完全に取り込んだのが大きい。

「自民党と都議会で連立を組んでいた公明党が、自民党との連立解消に踏み切ったのに続き、都民ファーストの会と政策・選挙協力することで合意。これで、小池知事は巨大な組織票を手にすることができました」(都庁関係者)

 さらに、蓮舫代表の意向を汲んで早くから小池氏に近づいていた民進党は、執行部の求心力不足により、むしろ勢力を小池氏に吸収されつつあるという。「3月12日に開かれた民進党の党大会では、一部の民進系都議が同じ時間帯に開かれた“希望の塾”の講義に参加してしまい、民進党の党大会は腰砕けでしたからね」(前同)

 こうして公明、民進の勢力を手中にした小池氏が次に狙うのは、当然、都議会最大勢力である自民党だ。「都民ファーストの会は、都議選で単独過半数を得るべく、70人規模の候補者擁立を検討しています」(同)

 特に注目されるのが“くのいち隊”と呼ばれる女性候補者部隊の存在。

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