ところが、昨年暮れのロシア・プーチン大統領との首脳会談が不発に終わり、今年に入って、自衛隊を派遣している南スーダンの治安が悪化。もたついている間に、森友学園問題の地雷が足元で炸裂したというわけだ。その結果、「今、選挙したら、小池氏がいなくても確実に30は議席を減らすことになる。解散は秋以降に延長せざるをえなくなった」(官邸筋)というわけだ。

 そして、そこに結成された「国政研究会」の衝撃。これにより、官邸はさらに進退窮まりつつある。「研究会の発足を発表した以上、相当数の候補者を擁立する準備は、すでに終えていると見たほうがいい。小池氏が自分で失墜しない限り、今後、選挙を行えば、自民党は少なくとも東京では大打撃を受けるでしょう」(前出の政治部記者)

 ある自民党長老は、恐るべき結果も考えうるという。「小池さんが元気なうちは、選挙をやったらいかんな。どうせ刺客を出してくるだろ。石原伸晃(経済再生担当相・前都連会長)と宏高の兄弟、萩生田、さらに下村博文(都連会長)もみんな、落ちるかもしれん」

 東京選出の自民党議員たちの選挙区に都議会と同じく“刺客候補”を出し、彼らをことごとく殲滅する可能性もあるというのだ。そうなったら安倍首相は党総裁としての責任を問われ、来年秋に3選されるどころか、「最悪、辞めなならんな」(前同)と言う。

 今、選挙をしても惨敗が予想され、先延ばしているうちに小池氏の勢力はどんどん拡大していく。議員任期はいずれ切れてしまうのだから、そのときは嫌でも選挙をしなければならない。まさに、自民党は打つ手なしだ。そして、その選挙の結果次第では、誰もが思わぬ形で小池氏の“宿願”が叶う可能性があるという。

「次の総選挙で、もしも自民党が敗れるような事態になれば、そこで安倍首相が辞めて次の誰かになるにせよ、自民党内は当然、“その次は、よほどの総裁でないと勝てない”というムードになってきます。そうなったら、党内にアレルギーが残っているとはいえ、下野するよりも、選挙に勝てる小池氏を総裁に担ぎ出す動きが出てくるかもしれません」(前出の有馬氏)

  1. 1
  2. 2
  3. 3
  4. 4
  5. 5