G1に昇格した大阪杯だが、いきなり大荒れまでありそうだ。まず主役の1頭、マカヒキの状態がいいと思えない。京都記念を使って大阪杯は予定通りだが、イメージしたほど体調が上がってこない。身のこなしに固さが残り、張りにも欠ける馬体。調整過程にも疑問符がつく。

 3月1日の初時計こそCWコースだったが、以後は坂路オンリー。9日に54秒0。16日に51秒4の速い時計が出たが、2週前追いの時点で本格的なコース追いがないのは異例だ。あと2週で、どこまで状態が上がってくるかだが、昨春のような信頼感はない。

 キタサンブラックも帰厩時の馬体に不満が残った。全体に筋肉が落ちて、昨秋の充実感がない体。その分、調教を強めてはいるが、陣営の狙いは次走、サトノダイヤモンドと対戦する天皇賞にある。いくらか余裕を残す仕上げになってきそうだ。阪神2000メートルもベストとは言えない舞台。昨年は2着に粘ったが、力をつけた同型、マルターズアポジーの存在など、メンバー強化で連対から外れる可能性まである。

 主役2頭が完調でないなら、ヤマカツエースにチャンスが出てくる。3歳時のニュージーランドTから積み上げてきた重賞勝ちは、前走の金鯱賞で5つに。今や、G1で戦えるほど地力をつけてきた。有馬記念は展開利がない中、最速上がりで0秒3差の4着まで追い上げたし、昨年、今年の金鯱賞では、いずれも無理なく中団前の好位置を取り、逃げ・先行馬が残る展開でも、きっちり抜け出している。

 馬体もまだ進化中だ。476キロでのデビューが、前走は自己最高の516キロに。さすがに緩さも感じさせたが、これが使っての上積みにもなる。夏場がダメなタイプでもあり、春はここが全力投球の場。勢いがあるだけに楽しみだ。

 馬券本線は音無コンビ。○アンビシャス、▲ミッキーロケットとした。(日刊ゲンダイ大阪記者)

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