巨人・高橋由伸監督がほくそ笑む、小林誠司「WBCでの急成長」の画像
巨人・高橋由伸監督がほくそ笑む、小林誠司「WBCでの急成長」の画像

 昨シーズンのV逸の「A級戦犯」とまでコキ下ろされた“ダメキャッチャー”が、大舞台で覚醒! 由伸監督もご満悦だ!

 3月22日のWBC準決勝のアメリカ戦で惜敗し、念願の世界一奪還はかなわなかったものの、日本野球の素晴らしさを存分に見せつけてくれた侍戦士たち。今大会では、菅野智之、菊池涼介、筒香嘉智など、数多くの選手たちが、その名を世界にとどろかせたが、その中で、最もプロ野球ファンを驚かせたのが、小林誠司(27=巨人)の活躍だろう。

 四隅を丁寧につく大胆かつ巧妙なリード、千賀滉大の“お化けフォーク”も決して後逸しない的確な捕球、そして何よりも、ここぞという場面で当たりまくった打撃。どれを取っても日本の正捕手そのものだった。

 辛口で知られるノムさんこと野村克也氏もテレビで「小林さんには、頭が下がりました」と絶賛する一方、「あれは、本当にウチの小林なのか」と、巨人軍関係者が一様に目を丸くしたという。それもそのはず。巨人入団以来、小林は“ダメ捕手”の烙印を押され続けてきた経緯があるからだ。

 小林は、阿部慎之助の後継者として、2013年ドラフト会議で日本生命から1位で指名され、入団初年度の14年シーズンは63試合、15年は70試合、16年は143試合中129試合でマスクをかぶったが、その成績はといえば、チームの正捕手として首脳陣を満足させるレベルのものとは、とうてい言えなかった。

 16年の通算打率.204は規定打席に達したセ・リーグの打者の中で最下位。守備面でも、取り柄は肩が強いことくらい。その単調なリードには課題が多く、キャッチングでもワンバウンドの球を後逸するシーンがしばしば見られた。

「ワンバウンドした球は記録上ワイルドピッチになり、捕手にエラーはつかないため、小林の守備率は.994と、決して低くはないんですが、あまりにも頻繁に後逸する。捕手として最もやってはいけないことです」(スポーツ紙デスク)

 昨年、菅野や澤村拓一の勝ち星やセーブが、小林のプレーで消えてしまったことは一度や二度ではない。一部では、小林が「昨シーズンV逸の最大の戦犯」とまで酷評されたほどだ。「そんなこともあってか、投手からの信頼も薄かったようで、うまくコミュニケーションを取れている様子はなかったです」(前同)

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