ところが、急転直下、3月15日に、小学校建設予定地へ視察に訪れた参院予算委員会の議員らに対して、“寄付金爆弾”を炸裂させたのだ。ジャーナリストの須田慎一郎氏は、こう語る。

「初めのうちは、このままいくと小学校の設立認可取り消しが決定してしまうという危機感があったからだと思いますね。建設予定地を更地にして国に返還するとなると、その負担で(森友学園が運営する)塚本幼稚園が潰れ、学園そのものが破綻しかねません。この暴露は、その事態を回避するための条件闘争だったんでしょう」

 しかし、結局、認可取り消しは覆らず、さらに、その過程で、小学校の建築費について、学園が府に報告した金額が、国土交通省に補助金を得るために報告した金額の半分ほどしかなかったことも判明した。補助金は、建築費が高いと支給額も増えるため、国から実際より多くの補助金を受け取ったことになる。そのため、国交省からは補助金約5650万円の返還を求められ、大阪府の松井一郎知事も「公金詐欺にあたる」と、籠池氏を厳しく批判している。

「松井知事は小学校の認可責任者でもありますし、籠池氏が維新の党の議員にも口利きを頼んでいたという話が出ていることから、自分に累が及ばないよう、“詐欺師に騙されて認可したのだ”というスタンスに徹したいのだと思います。一方の籠池氏は、あくまで“政治家がハシゴを外した”と思ったんでしょう。“このまま、トカゲの尻尾のように切られてたまるか”と、破れかぶれの逆襲に転じたんだと思います」(全国紙大阪府庁担当記者)

 証人喚問で100万円の件を突然、持ち出した理由を問われ、籠池氏は「安倍晋三先生には敬愛以上の念を抱いておりましたが、(この問題の発覚以降、自分のことを)“しつこい人”と発言され、手のひらを返して学校を潰そうとしていると思った」と証言した。

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