「がん」の真実~発見、治療、予防までを総まとめ

 今や「日本人の死因」のトップとなった、がん。中高年世代にとっては、決して無視できない疾病だ。そこで今回は、この病気を徹底特集。あまり気持ちのよい話題ではないので、これまで正面から向き合わずにきた読者も多いだろう。だが、あなたや家族が発症する可能性は、決して低くはないのだ。備えあれば憂いなし。ぜひとも、ご一読いただきたい。

■第1部 がん治療最前線■
「不治の病」はここまで分かった! 保険適用の治療法や副作用のない抗がん剤

 その最前線治療に迫る前に、がんの基礎的なメカニズムおよび、がん医療の現状に触れておこう。この厄介な疾病の最大の特徴は、正常な細胞が遺伝子変異により、異常な細胞となり、これが、ひたすら増殖を繰り返す点だ。そもそもは自分の体の一部だったことから、外から侵入してきた結核菌やインフルエンザウイルスを迎え撃つ際のようには免疫機能が働きにくく、結果、がんは15~30年かけて1センチまで大きくなる(これが検査で分かる最小の大きさ。この時点でがん細胞の数は、約10億個だという)。

「この間、自覚症状はまずありません。しかも、ここから何も治療しなければ、数年で約4センチまで成長。さらに10センチに達すれば、死亡するケースもあります」 こう解説するのは、元・米イリノイ工科大学助教授(化学科)で、『がん治療の最前線』(サイエンス・アイ新書)などの著書もある生田哲氏(薬学博士)。生田氏によれば、がんの原因に関しては米ハーバード大の著名な研究があり、「タバコ」と「食事」がツートップで各30%。以下、「運動不足」「職業」「遺伝」「ウイルス・細菌」などが各5%。「アルコール」「社会経済要因」などが3%。「環境汚染」「紫外線など」2%。「医薬品・医療行為」「食品添加物・汚染物質」が各1%とのことだ。なお、現在、世界で行われている「3大治療法」は、次の3つ。

【手術】体を切開して、がんを摘出する。近年は、がんが小さい場合は内視鏡手術ができるようになり、患者の負担は減っている。

【放射線治療】放射線でがんを焼き殺す。近年の技術進歩で、ピンポイント照射が可能に。手術に比べて後遺症は少ない。

【抗がん剤】抗がん剤を投与してがん細胞を殺す。しかし、大半のがんに関しては抗がん剤だけの治療に過大な期待はかけられないし、正常細胞まで殺してしまううえ、大変苦しい副作用もある。

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