生田氏は、野菜や果物をたっぷり摂るのも効果的だと語る。「野菜と果物には、がんと闘い、がんから体を守るファイトケミカルと呼ばれる物質が豊富に含まれているからです。日本人は、どちらの摂取量も少ない」(同)

 また生田氏は、できるだけ「生」で食べることを推奨する。がん予防に効果のある物質は、加熱で失われることが多いためだからだ。

 さらには、できるだけ食材がひと目で分かるものを食べるのもいいそうだ。「魚なら、そのままの形の焼き魚などがいいでしょう。加工食品には精製デンプンや砂糖が多い。これらは血糖値を急激に上げ、がんが増殖しやすくなります。また、代謝を最適化するのに必要なビタミン、ミネラル、ファイバーなどの栄養素も不足します」(同)

 以上のように、タバコをやめ、塩分を控え、肉類を減らし野菜を多くしたバランスの取れた食事の日々の積み重ねこそ、がん予防の王道だということだ。ここでついつい気になるのが、“食べるだけで簡単にがん予防ができる食品”がないかということ。そんなズボラなお父サンの強い味方が、ニンニク、カレー、緑茶だという。

「ニンニクに含まれるアリシンなどの含硫有機物は、強い抗がん効果があり、たくさん食べる人は腎臓がん、前立腺がんなどになりにくいことが確認されています。一方、カレーをよく食べるインド人は、がん患者の割合が米国人の4分の1というデータがあります。カレーの黄色の元であるウコンに含まれる、クルクミンの強力な抗がん効果のためです」(同)

 緑茶の葉に含まれる抗酸化物質「カテキン」にも抗がん効果があり、前立腺がん、腎臓がん、口腔がんなどの増殖を阻止することが報告されているという。この緑茶は、毎日2杯飲むだけでも効果が見られるというから驚きだ。

 こうした食事の効果は、我々、素人の想像以上に高いようで、生田氏は最後にこう結ぶ。「西洋医学は即効性を求めたり、また利権などの諸事情から無視していますが、食事による療法を取り入れた患者が、余命宣告をされていたにもかかわらず回復したという事例もあります。我々の体は日々の食事で成り立っているのですから、食べる物次第で、健康にも病気にもなるのは当然とも言えます」

 今や2人に1人が、がんになる時代。がん患者の増加は、社会の高齢化を差し引けば、日々の不摂生が主因であるケースが多いと思われる。言い換えれば、この疾病は、自分の心がけ次第でかなり防げるのだ。このことを今一度、肝に銘じていただきたい。

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