今回の籠池氏の証人喚問では、民進党の福山哲郎参院議員が「籠池さんが事実と言っているだけで、私が言っているわけではない。誤解しないでくださいね」などと念押し。偽メール事件と同じ轍を踏むまいとする態度も見受けられた。

「蓮舫代表は旧維新グループの分裂や、前原(誠司)グループの蓮舫降ろしの動きがあり、そちらのほうが気がかり。自民党の支持率が下がったのに、民進党の支持率が上がらないのも頭痛の種です」(前同)

 同じく共産党も、機関紙の『赤旗』に籠池発言を掲載して、後日、記事を訂正する失態をやらかし、いまいち気勢が上がらない。「安倍総理も、野党の追及はかわしきれると思っています。それよりも、“籠池国会”の混乱に乗じて蠢き出した党内の“妖怪たち”を警戒しています」(同)

 最も活動を活発にしているのが、“ポスト安倍の第一人者”を自認する石破茂前地方創生相だ。討論番組『時事放談』(TBS系、3月26日放送)に出演し、「総理総裁の奥様が嘘をいっているはずはないと思いますが”総理夫人がきちんと真実を述べる場を作らないといけない」と、野党が要求する昭恵夫人の招致に同調してみせたのだ。当然、安倍首相は激怒したという。

「野党に同調するのは一番のご法度。石破さんは本当に“KY”な発言をしますね」(前出の自民党関係者) 実は、その石破氏が最近、“参院のドン”と呼ばれた青木幹雄氏に急接近しているという情報がある。

「青木さんは平成研(額賀派)の出身ですが、ここが今、ボロボロ。次の領袖候補は小渕優子さんですが、彼女は14年の政治資金規正法違反問題が響いて動けず。トップ取りに色気を見せる茂木敏充政調会長には、まるで人望がありません。この窮地を嗅ぎつけたのか、かつて同派に所属していた石破さんが、いまだに影響力を残す青木さんに、自派閥との合併を持ちかけているんです。かつての大派閥(経世会=竹下派)を乗っ取って、その力をバックに次期総裁選で安倍打倒というわけです」(前同)

 “反安倍”の旗幟を鮮明にしつつある石破氏。ただ、その企みが成功するには、森下学園騒動がさらに拡大したほうが都合がよい。

 騒動は一段落したように見えるが、本誌既報通り、安倍政権の閣僚S氏が籠池理事長に数百万円の寄付をしたという噂もある。もちろん、籠池理事長がまだ“隠し玉”を持っている可能性も否定できない。しかし、切り札を持つのは、“最強の省庁”財務省だという。

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