「足のニオイの原因は、汗や足の皮脂、皮膚や爪の間の汚れなどをエサにして、大量繁殖した雑菌やバクテリアの出す排泄物の腐敗臭です。これを防ぐには、入浴時に足の指の間までしっかりと洗浄し、靴も清潔に保つこと。ブーツや靴は通気性のいいものを選び、いわゆる“サラリーマン靴下”よりも、ちゃんと汗を吸う靴下をはくことも、いい対策になるはずです」(前同)

 では、お父サン世代の“宿命”ともいえる加齢臭は、はたして防げるのか? 「その原因は、40歳前後になると体から分泌される“ノネナール”という物質。発生源である皮脂腺は全身に分布しているんですが、特に頭皮に多いのです。したがって、毎日のシャンプーが肝心。ものによっては皮膚が乾燥し、余計に皮脂を分泌させてしまう可能性があるので、低刺激で保湿性の高いアミノ酸系シャンプーを使うといいでしょう」(都内のクリニックに勤務する男性医師)

 年を取って代謝が落ちたことを「汗も脂も出ない体になった」などと解釈し、体力も落ちて毎日風呂に入るのも面倒、下着などの着替えも数日に一度――という中高年は多い。だが、そんな生活が、より加齢臭を強烈にしているのである。「むしろ、逆ですね。老化とともに皮膚の代謝が落ちて、酸化した古い皮脂や皮膚のカスが体に溜まりやすくなっていますから、若いときよりも清潔に保つ必要があるのです」(前同)

 また、適度な運動も、加齢臭予防になるという。「メタボリック症候群や生活習慣病、または、その予備軍の人は、活性酸素と脂肪を体に溜め込んでしまっており、これがノネナールの発生を促進するんです。適度な運動で汗をかいて代謝を促進することを心がければ、年配の方でも加齢臭は大きく改善されます。いわば、加齢臭は体が年老いたということのみならず、年を取ってものぐさになったことによって起こる“心のニオイ”であると言えますね」(前同)

 そうまで言われたら、お父サン世代としては奮起するしかない。とはいえ、なまった体をいきなりハードに動かすのは禁物。まずは通勤時、駅のエレベーターやエスカレーターを使っていたのを階段にする、入浴後に入念なストレッチをする――といった簡単なことから始めてみるのがよさそうだ。

 さて、ニオイには、実は単なるエチケットだけの問題でない側面があるのを、ご存じだろうか? 実は、口臭や体臭は、深刻な病気のサインとなっていることもあるのだ。

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